賃貸物件を探す際に役立つ「木造」と「鉄筋コンクリート造」の違いを解説。構造の違いによる住み心地や賃料への影響、内見時の確認ポイントなども紹介します。

【木造or鉄筋】賃貸物件を構造で選ぶならどっちがいい?
木造と鉄筋コンクリート造(RC造)の構造的な違いとは?
賃貸物件を探していると必ず目にする「木造」と「鉄筋コンクリート造(RC造)」。この構造の違いは、家賃だけでなく住み心地にも大きく影響します。
まずはそれぞれの基本的な違いを押さえておきましょう。
| 木造 | 鉄筋コンクリート(RC造) | |
| 主な構造材 | 木材 | 鉄筋+コンクリート |
| 代表的な工法 | ・在来工法(木造軸組み工法) 柱と梁を組み合わせて建てる伝統的な工法 ・ツーバイフォー工法 2×4インチの木材で組んだ枠に壁を張りつけた面を組み立てる工法 ・木造プレハブ工法 工場で生産・加工された木質パネルを現場で組み立てる工法 | ・ラーメン構造 鉄筋とコンクリートで柱と梁を作り、そこに壁や床を張っていく工法 ・壁式構造 鉄筋とコンクリートで作った壁(耐力壁)と天井でワンフロアずつ組み立てる工法 |
| 法定耐用年数 (住宅用) | 22年 | 47年 |
| 耐震性 | 工法・耐震等級による | 高い |
一般的に鉄筋コンクリートは木造と比べて耐久性・耐震性に優れ、柱のない広い空間を実現しやすい構造となっています。
※法定耐用年数は税務上定められた期間であり、実際の建物寿命とは異なります。
木造賃貸の特長と注意点
メリット
・家賃が比較的安い:RC造と比べて建築コストが抑えられるほか、耐用年数が短いため築年数の経過で資産価値が下がりやすく、賃料が低くなるケースが多く見られます。
・湿気がこもりにくい:木造建築は通気性が高く湿気がこもりにくいほか、木材の調湿効果もあってカビの発生が抑えられやすい建物です。
・部屋が使いやすい:RC造にある柱型や梁の出っ張りがなく壁の内側に収まる工法のため、部屋は完全な長方形や正方形になります。家具が配置しやすくデッドスペースが生まれません。
デメリット・注意点
・防音性が低い:隣室や外部の音が伝わりやすく、生活音への配慮が必要です。夜間の入浴や洗濯にも気を遣う場面があります。
・気密性が低い:通気性が高い反面断熱性の低い物件では冷暖房効率が悪く、光熱費が高くなる点も注意したいところです。
・耐震性が低い物件もある:一般的にRC造と比べて耐震性が低く、特に旧耐震基準で建てられた木造賃貸は地震発生時の揺れ・倒壊の危険が高くなります。
・湿気・害虫リスク:木材は湿気を含むと腐食やシロアリ被害が発生しやすく、安全性や快適性に影響することも。特に1階部分や水回りに注意が必要です。
鉄筋コンクリート造(RC造)の特長と注意点
メリット
・耐震性が高い:鉄筋とコンクリートで高い剛性を備えた耐力壁が構成され、地震による倒壊リスクは少ないとされています。
・耐火性に優れる:不燃材料であるコンクリートは火災時に延焼しにくく、避難や消火活動の時間を確保しやすいのが特徴のひとつです。
・防音性能が高い:質量が重く密度が高いRC造は遮音性が高く、小さな子どもやペットがいる家庭でも隣室との騒音トラブルを回避できる可能性が高まります。
・光熱費を抑えやすい:気密性が高いコンクリート造は外気の影響を受けにくく冷暖房効率が高いため、光熱費を抑えやすいとされています。
・耐久性が高い:木造より耐用年数が長い鉄筋コンクリート造は、築年数が経過した物件でも適切に維持管理されていれば安全性に問題はありません。
デメリット・注意点
・家賃が高い:木造より建築コストが高く防犯設備などが充実しているため、似た広さ・立地でも家賃が高い傾向にあります。また、木造より耐久性に優れているため、同じ築年数でも家賃が下がりにくいのも特徴です。
・結露やカビが発生しやすい:気密性が高い分通気性は低いため、断熱性や換気性が不足すると湿気がこもり結露やカビの発生リスクが高まります。
・夏場は暑くなりやすい:コンクリートは熱を蓄えやすい性質を持つため、夏場の日射しや外気で吸収した熱によって室内が保温状態に。夜になってもなかなか温度が下がりません。
・Wi-Fiがつながりにくい:厚い鉄筋コンクリートの壁で構成された空間では、Wi-Fiがつながりにくくなることがあります。
木造賃貸と鉄筋賃貸、向いているのはどんな人?
木造賃貸がおすすめの人
家にいる時間が短いなど、住居費をできるだけかけたくない人には木造賃貸がおすすめです。特に家賃相場が高い都市部では経済的メリットを感じやすいでしょう。
短期間であれば木造住宅のデメリットも受け入れられるという方なら、引越までの仮住まいとして借りるのもおすすめです。
また、通気性が高く湿気がこもりにくい空間で、木質の温かみを感じながら生活したい人にも向いています。
鉄筋コンクリート造(RC造)の賃貸がおすすめの人
音のトラブルが発生しやすい賃貸生活において、防音性を重視したい人には鉄筋コンクリート造が向いています。生活時間帯が不規則な人も安心して暮らせるでしょう。
また、耐久性や耐震性が高い鉄筋コンクリート造は築年数が経過している物件でも安全性が高く、長期間住む予定の人にも向いています。オートロックや防犯カメラなどセキュリティが充実している物件も多く、女性の一人暮らしや小さな子どもがいる家庭でも安心して暮らしやすいでしょう。
木造賃貸物件と鉄筋賃貸物件の選び方
【共通】内見時にチェックすべきポイント
建築年月日と耐震基準
建物の築年数だけでなく、建築確認が下りた年月日を確認しましょう。1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物は新耐震基準に適合しており、震度6〜7程度の地震でも倒壊しにくい設計になっています。それ以前に認可を受けた・建てられた旧耐震基準の建物は、耐震改修工事の履歴などがあるかを確認してみましょう。
壁の厚さを軽く叩いて確認
室内の壁を軽く叩くと、厚みや中の構造をある程度推測できます。軽く高い音が響く場合は断熱材や防音材が不足している可能性があり、反対に低く鈍い音が返ってくる場合は壁が厚くしっかりと充填材が入っていると判断しやすいでしょう。
窓やドアの建て付け
窓やドアは数回開閉して、動きがスムーズかどうかを確認してください。建付けが悪い原因はいくつか考えられますが、戸車の高さのずれやレール部分のゴミが原因の場合は容易に改善することが可能です。ただし、地震や老朽化、あるいは施工不良によって建物の構造自体が歪んでいる可能性もあり、この場合は自力での改善は困難でしょう。
共用部分の管理状態
エントランスや廊下・階段・ゴミ置き場など、共用部分は管理状況を映す鏡です。清掃が行き届き掲示板や照明が適切に維持されていれば、管理体制が良好である可能性が高いといえます。逆にエントランスやメールボックス・ゴミ置き場が汚れ、放置自転車が目立つ場合は注意が必要。不衛生なだけでなく治安の悪さが反映されている可能性があります。
設備・仕様
エアコンは有無だけでなく性能もチェックしましょう。給湯器の種類やインターネット環境(光回線対応かWi-Fiのつながりやすさ)の確認も大切です。これらは快適性だけでなく、ランニングコストにも直結します。併せて、防犯カメラやセキュリティ設備の導入状況などもチェックしてください。
立地条件
駅からの距離は、物件資料の徒歩分数を見るだけでなく実際に歩いて確認しましょう。坂道や信号・暗い道が多い場合、通勤・通学の負担だけでなく防犯面にも影響します。
スーパー・病院などの生活施設までの距離・充実度もポイントです。帰宅が遅い人は営業時間まで確認しておくとよいでしょう。
建物が密集する都市部では、日当たりや風通し・周辺建物からの騒音・プライバシー性の確認も重要です。
木造物件の確認ポイント
床の軋み具合
歩いたときに、床がきしむ音や沈み込みがないかを確認してください。「ギシギシ」といった音は不快なだけでなく、階下に伝わっている可能性がとても高い迷惑音です。
木材は気温や湿度によって膨張・収縮することで家鳴りの原因になります。下地材の劣化や施工不良の可能性もあるので、同行している不動産会社スタッフに工事履歴を確認するとよいでしょう。
隣室との壁の防音対策
壁を軽く叩いて厚みを確かめるほか、管理会社に防音材の使用有無や施工状況を確認するとよいでしょう。
曜日や時間帯を変えて隣室の生活音や外部の音の聞こえ方を確かめるのも、有効な方法です。
断熱材の有無
壁・天井・床下に断熱材がしっかりと施工されているか確認しましょう。玄関や外壁に面する壁・窓際に手を当てて温度ムラを感じるかをチェックし、コンセントボックスや配管貫通部からの風抜けがないかも触って確認します。
冬場の内見ならガラス下端の結露痕やカビ、夏場なら西日時間帯の熱こもり具合もヒント。管理会社の許可が得られれば、点検口からの目視が決定打になります。
シロアリ対策の実施状況
シロアリ被害の有無や防蟻処理の履歴を確認しましょう。特に1階や水回り付近、床下など湿気が多い場所はシロアリ被害が出やすい傾向にあります。
防蟻処理は通常5年ごとの再施工が必要なため、施工時期や今後の予定時期を確認しておくと安心です。
鉄筋コンクリート造物件の確認ポイント
結露やカビの痕跡
窓枠・クローゼット内部・天井の隅などに湿気による結露やカビ跡がないか確認しましょう。特に日当たりがよくない北側の部屋は結露が発生しやすいので、入念にチェックを。カビは健康被害や建材が劣化する原因となります。
換気設備の状態
結露やカビを防ぐには換気設備が重要です。
2003年7月の建築基準法の改正にともない、原則としてすべての建物に24時間換気システムなど機械換気設備の設置が義務化されました。キッチンや浴室の換気扇が正常に作動するかなど、換気システムが正常に機能しているかチェックしましょう。フィルターが汚れている・換気扇から異音がする場合は、メンテナンス不足や故障の可能性があります。
※参照:国土交通省|シックハウス対策のための規制導入改正建築基準法
ひび割れ(クラック)の有無
コンクリートの壁や天井・柱などにひび割れがないかを目視で確認。幅0.3mm未満の細いクラックは乾燥や温度変化によるもので、建物の安全性への影響は小さいといえます。
一方で、幅0.3mm以上の大きなクラックや斜め・階段状の亀裂は構造的な問題の可能性もあるため注意が必要です。管理会社やオーナーに原因と補修状況を確認しましょう。
最上階の場合は屋上の断熱対策
最上階の部屋は屋上からの直射日光や外気温の影響を受けるので、夏は室温が上がりやすく冬は冷え込みやすい点に注意が必要です。天井裏の断熱材や屋上の遮熱塗装のほか、防水層が適切に施工されているかを質問しましょう。可能であれば、屋上の改修履歴や防水工事の予定時期も確認できると安心です。
ライフスタイルを大切にできる構造を選ぼう
建物の構造によって賃貸物件の家賃や住み心地は大きく変わります。
家賃をできるだけ抑えながら、通気性に優れた環境で木材の温もりを感じながら生活したい人には木造がおすすめです。
一方、静かな環境で耐震性・耐久性に優れた建物で長く暮らしたいという人は、鉄筋コンクリート造(RC造)のほうが安心して生活できるでしょう。
大切なのは「自分にとって譲れない条件」をしっかりと整理して物件を探すこと。通勤や生活の利便性・家族構成・生活リズムなどを踏まえて構造ごとの特徴と照らし合わせれば、長く満足できる住まいが見つかりやすくなります。
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監修者名
テクトピア編集部
資格一覧
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、賃貸住宅メンテナンス主任者、
少額短期保険募集人、土地活用プランナー



























