賃貸契約の更新時に家賃は上がる!?知らないと損する値上げの理由と対処法

更新時に家賃の値上げ通知が届いたら、慌てる前にチェック!値上げの正当理由を見極めるポイントと、納得できない場合の交渉・拒否のコツをステップ別に解説します。

目次

更新時に突然の家賃値上げの通知!これって合法なの?

更新時に家賃が上がる主な理由とは

単に「家賃収入を増やしたい」「借金返済のため」といった貸主の自己都合による家賃の値上げは法的に認められていません。
家賃を上げるには正当な理由が必要となり、値上げが認められるのは次の3つのケースです。

周辺の家賃相場が上がった

周辺の家賃相場に合わせた家賃改定は、正当な理由とみなされることがあります。
たとえば、駅前の再開発や大型商業施設の整備・交通インフラの拡充(新駅の開業やバス路線の増便など)によって利便性が向上した場合、住民の転入数・需要が増加し、実際に家賃相場は上昇するでしょう。
このような変化が見られる場合、家賃改定は社会的にも妥当と判断されやすくなります。

物件の資産価値が上がった

資産価値の上昇は、家賃値上げの説得力ある理由になります。
近隣の再開発に伴い地域全体の地価が上昇すると、物件にかかる税金も増加するのが一般的です。また、建物の大規模修繕や内装リノベーションなどにより設備が刷新された場合は固定資産税が増額されることもあるため、家賃アップは妥当と判断されやすくなります。

管理コストや税金が増えた

管理コストと税負担の増加も家賃の値上げに大きく影響します。
近年、物価上昇や人件費高騰により清掃費・警備費にかかる経費が増加しているほか、税改定による固定資産税や消費税などの税負担も年々重くなり、家賃収入が増えない中で支出は膨らむ一方です。
こうしたコスト増分を家賃に反映することは、賃貸経営を継続するために必要な措置として認められています。

借地借家法ではどうなってる?家賃値上げの法律ルールを知ろう

家賃の値上げは「借地借家法」という法律に基づいて行われます。

借地借家法:第三十二条の一部抜粋
「土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。」
※借賃は法律用語で「家賃」を指します。

経済的な変化や周辺相場との不均衡があれば、家賃の見直しは法的にも認められているのです。

※参照元:e-GOV法令検索「借地借家法第三十二条(借賃増減請求権)」

家賃の値上げが更新時に集中するのはなぜ?

賃貸契約の多くは2年間ですが、値上げ通知はその更新タイミングに行われるのが一般的です。
更新は契約の見直しが行われる節目の時期であり、貸主にとっては家賃変更を提案しやすいタイミングです。入居者の多くは契約継続の意思が強いため、多少の値上げなら受け入れられやすい傾向があります。合意・手続きが同時に行えるため、家賃額の変更をまとめて処理しやすい点も要因の一つでしょう。

値上げは断れる!知らなきゃ損な交渉の基本

値上げには入居者の「合意」が絶対条件

家賃の値上げは法律で認められているものの、お互いの合意がなければ成立しません。貸主からの通告に入居者は従う義務はないため、拒否もできます。

貸主は更新以外のタイミングでも交渉できる

家賃の値上げ時期には法的な規制はないため、予告なく突然通知されるケースもあります。
実際には次回の契約更新時に合わせて交渉するのが一般的です。部屋ごとに契約期間が異なるため、一棟全体で同時に値上げされるわけではありません。

拒否しても即退去にはならない!法律上のポイント

家賃改定通知を受けても、改定前の家賃を支払い続けていれば直ちに退去させられる心配はありません。
賃貸借契約には「正当事由」というルールがあり、貸主が更新を拒絶したり契約を終了させたりするには、単なる家賃交渉の不成立だけではなく「正当な理由(正当事由)」が必要です。たとえば貸主自身が物件を使用する予定がある、建物の老朽化により取り壊しが必要といったケースが該当します。正当事由が認められるかどうかは最終的に裁判所が判断するため、貸主の一存で決められるものではないのです。

※参照元:e-GOV法令検索「借地借家法第二十八条(建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件)」

家賃の値上げ通知を受け入れる前に!更新時にやるべき5つのこと

ステップ① 契約書と通知内容をチェック!見落としがちな注意点

まずは賃貸契約書を確認し、家賃改定のルールを把握しましょう。
通常、借家契約では契約期間中の家賃値上げは原則として認められていませんが、契約更新時には「新たな条件」として家賃を変更できます。
次に、契約書に家賃改定の特約が記載されていないかを必ず確認してください。たとえば「借主の承諾がなくても改定可能」との特約があっても、貸主には事前通知や調停手続きが求められます。過度な増額や算定基準が不透明な場合は無効と判断されるため、一方的に改定が確定するわけではありません。
最後に、通知内容の妥当性を精査しましょう。特に値上げの根拠となる経済的合理性を確認し、不明瞭な算定方法や正当性の乏しい増額がないかどうかのチェックが大切です。

ステップ② 周辺相場を調査!交渉材料を集めよう

周辺地域の同じような物件と比較して、値上げ後の家賃が適正なのかを確認しましょう。周辺の家賃相場と比較して著しく高額な家賃となった場合、交渉時の強い武器になるためです。
比較の際は、間取り・広さ・階数(ワンルームや1LDK、2DKなど)・築年数・設備(エレベーター、オートロックなど)・最寄り駅・交通アクセスといった項目に注目します。
不動産サイトや物件アプリなどで調べたり、近隣の不動産会社に問い合わせたりして情報を入手しましょう。

ステップ③ 納得できない値上げは拒否してOK!その根拠と伝え方

納得できない家賃改定は拒否しても問題ありません。まずは貸主に改定の根拠となる資料やデータの提示を求め、合理性を確認しましょう。
正当な理由がある場合の交渉は難しいですが、正当性が認められない場合は拒否や条件交渉が可能です。
交渉の際は感情的にならず、ポイントを整理したうえで冷静に話し合い、納得のいく解決を目指しましょう。

ステップ④ 全額拒否だけが正解じゃない!落としどころを提案しよう

値上げを拒否するか退去するかの2択ではなく、選択肢の幅を広げる柔軟さも大切。選択肢の例としては「家賃の値上げを段階的にしてもらう」「値上げ時期を変更してもらう」「更新手数料や退去費用を値下げしてもらう」などがあります。
貸主の事情や自分の状況を踏まえ、お互いに納得できるような落とし所を見つけましょう。

ステップ⑤交渉が決裂しても大丈夫!取れる対処法まとめ

現行家賃を支払い続ける

改定前の家賃を滞納せずに支払い続けることで、契約を維持しつつ交渉の余地を残せます。ただし、家賃を滞納すると契約解除のリスクがあるため注意が必要です。
貸主や管理会社から新家賃での請求があった場合は、「値上げに合意していないため従来の家賃で支払います」と明確に伝え、証拠としてメールや書面で交渉記録を残しておきましょう。値上げ分を勝手に引き落とされないよう、銀行振込への変更も行うと安心です。
ただし、未納状態が長期間続くと法的手続きに発展する可能性があるため、長期的には引っ越しを含めたほかの選択肢も視野に入れて対策を考えましょう。

家賃の供託で未払い扱いを防ぐ

貸主の中には「家賃改定後の金額でしか受け取らない」と主張する方がいるため、未払いとみなされるリスクには注意が必要です。
貸主が受け取らないのが原因だとしても「家賃が支払われていない状態」であると判断され、滞納を理由に契約解除や立ち退きを求められる可能性があります。
そのような場合には、従来の家賃額を供託所(法務局や地方法務局・支局)に預ける「供託制度」を利用してください。法的に家賃を支払ったとみなされて不払いの責任を回避できます。合意に至らない場合の有効な手段として覚えておきましょう。

どうしても不安なら専門家に相談するという選択肢も

話し合いが決裂し、自分での解決が難しいと感じた場合は、各自治体の消費生活相談窓口(消費者センター)に問い合わせてください。法律に精通した人に相談すれば、解決の糸口が見つかる可能性があります。

納得できないなら、引っ越しも検討しよう

家賃の値上げについて交渉を重ねてもどうしても折り合いがつかず納得できない場合は、無理に受け入れず「引っ越し」という選択肢も視野に入れましょう。更新料や引っ越し費用を新生活のスタート資金と割り切ってより自分に合った物件を探すことは、結果として住環境の改善や家計の見直しにつながる可能性もあります。

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監修者名

テクトピア編集部

資格一覧

宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、賃貸住宅メンテナンス主任者、
少額短期保険募集人、土地活用プランナー

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