賃貸への引っ越しで電気・水道・ガスの契約に必要な対応とは?

目次

電気・水道・ガスの契約で賃貸入居時に行うことまとめ

賃貸住宅を借りて生活を始めるには、電気・水道・ガスといったライフラインの契約が必要です。
入居時までに必要な手続きの流れとポイントをまとめました。

電気の使用開始までの流れ

電力会社やプランを決める

2016年4月から電力の小売が自由化され、様々な電力会社が電力供給サービスを行っています。
どの電力会社と契約するかは基本的に自由。電力会社によって料金プランや特典などが違うため、自分の生活に合った会社を選びましょう。
特にこだわりが無かったり、探す手間が面倒だったりする場合は、不動産会社に紹介してもらうこともできます。

電力会社に使用申し込みの連絡をする

引っ越しの日の1週間前までに、インターネットや電話などで引っ越し先の地域にある電力会社に申し込みをしましょう。
新居がアナログの電気メーターの場合は、最悪、申し込みが引っ越し当日になってしまっても間に合う可能性があります。

以下、契約手続きに必要な情報をあらかじめまとめておくとスムーズです。

  • 契約者の氏名
  • 引っ越し先の住所
  • 引っ越しする日(電気利用開始日)
  • 料金プラン
  • 料金の支払い方法(口座番号・クレジットカード番号など)

通電させる際の作業が異なるため、引っ越し先の物件が従来のアナログの電力メーターとスマートメーターのどちらなのかを事前に確認しておくのも重要です。

スマートメーターとは、国が設置を進めている通信機能を持ったデジタル電力メーター。
スマホやパソコンから電気の使用量をチェックできるような電力会社もあり、省エネや節電にも役立ちます。
従来立ち会いが必要だったアンペア変更を遠隔で対応してもらえます。
また、ブレーカーが落ちた際の復旧が自動で行われるなど、居住者の手間が軽減されるというメリットもあります。

料金の支払い方法は、口座振替・クレジットカード・スマホ決済・コンビニなどでの振込から選べます。
しかし、新電力会社の場合はコスト削減のために振込用紙を使った支払いができないことがあります。
電力会社や料金プランによっては月50円程度の口座振替割引があるので、クレジットカード払いのポイントなどと比較して、お得な方法を選ぶのもおすすめです。

口座振替を希望しても、手続きの関係で最初の1~2ヶ月は振込用紙を使って支払う場合もあるため、郵便で用紙が届いていないか注意しておきましょう。
引っ越しが月の途中などの場合は、使用開始日から検針日までの電気使用量に応じて日割りした金額が請求されます。

引っ越し当日に電気を開通させる

電気は曜日や祝日、時間などに関係無く使い始められます。

スマートメーターが導入されている賃貸住宅なら、電力会社が遠隔操作で通電作業をするので特に作業をする必要がありません。
ただし、通電してもらう連絡を忘れてしまうと電気が使えない事態になってしまうので、遅くとも引っ越しする3~4日前までに電力会社に連絡しましょう。

アナログの電力メーターの場合は、入居者本人が分電盤内のブレーカーを上げれば電気が使えるようになります。
ブレーカーを上げる際は、アンペアブレーカー → 漏電ブレーカー(漏電遮断器) → 配線用ブレーカー(配線用遮断器)の順につまみを「入」にしましょう。
分電盤は玄関やキッチン・洗面所などに設置されていますが、見当たらない場合は不動産会社に確認してください。

電気を開通させる際に作業員が来ることは基本的にありません。
しかし、通電が必要な電気温水器(エコキュート)などの設備がある際には作業員に対応してもらわなければならず、作業への立ち会いが必要となります。

ちなみに契約をしていない状態でも、アナログの電気メーターは上記の作業をすると電気が使えてしまう場合があります。
これは内見の際などに電気を点けられるようにするため。
申し込みをしなくても使えるからといって「大家さんや不動産会社さんが連絡してくれたのかな」と勝手な思いこみをせず、ご自身で電力会社との契約を進めてください。
無断で電気を使ってしまった場合、後日使い始めた日に遡って請求されるだけでなく、延滞金なども発生する可能性があるため気を付けましょう。

水道の使用開始までの流れ

引っ越し先の自治体に上下水道の使用を申請する

引っ越しの3~4日前までに、上下水道を管理している自治体の水道局に電話やインターネットを使って申し込みます。
新居に「水道開始申込書」が備え付けられている場合は郵送での手続きも可能ですが時間がかかるため、引っ越しまでに間に合うように余裕を持って対応しましょう。
水道は自分で開栓すれば使い始められるので、申し込みは引っ越し当日でも間に合いますが、地域によっては水道局の方に対応してもらわないと開栓できない場合もあります。
基本的には早めに対応しましょう。

申し込みの際に、あらかじめ準備しておいたほうが良い情報は以下です。

  • 契約者の氏名
  • 引っ越し先の住所
  • 水栓番号
  • 水道利用開始日
  • 料金の支払い方法(口座番号・クレジットカード番号など)

水栓番号は玄関やメーター付近に貼られているステッカーや水道開始申込書(備え付けられている場合)などで確認できます。

水道料金の請求は2か月に1度です。引っ越しした最初の水道料金は、引っ越し当日から検針日までに使った水の分量だけ請求されます。
銀行口座振替・クレジットカード払い・振込用紙・スマホ決済などから支払い方法を選べます。

しかし、自治体によってはクレジットカード払いに対応していない場合があるので、支払い方法については確認した上で決めるようにしましょう。
口座振替は割引(月50円程度)を受けられることもあるため、少しでも料金を抑えたい場合は確認してみてください。
口座振替の手続きには「請求書に同封されている申込用紙を郵送する」「ネット上から申し込む」「水道局窓口で手続きする」などの方法があります。

開栓する

引っ越し当日に入居者自身で水道の元栓を開けるため、作業員の方の立ち会いなどは不要。引っ越ししたその日から水が使えるようになります。
元栓を開いた状態にもかかわらずトイレやキッチンの水が出ない・勢いが弱いといった場合には、水止め栓(止水栓)が設置されているかもしれないので確認してみましょう。
水止め栓は、トイレの場合はタンクにつながる水道管や足元のカバーパネル内、キッチンの場合はシンク下の収納内などにあります。

ガスの使用開始までの流れ

ガス会社を選ぶ

電力と同様、2017年4月から都市ガスについては小売が全面自由化されました。
会社によってプラン・料金が異なるため、引っ越し先のエリアのガス会社を比較してみましょう。
ただし、地域や物件によっては使用できるガスが限定されていることや一括で契約されていて自由に契約先を選べない可能性があります。
ですので、物件探しや内見時などに確認しておきましょう。

ガス会社と契約する。

電気や水道と異なり、ガスの開栓には立ち会いが必要です。
3月・4月の引っ越しシーズンは予約が埋まってしまうこともあるので、引っ越しの2~3週間前には連絡しておくのがおすすめ。
予約は電話やインターネットなどで行います。

連絡の際には以下の情報を手元にまとめておきましょう。

  • 契約者の氏名
  • 引っ越し先の住所
  • 利用開始日
  • 料金プラン
  • 料金の支払い方法(口座番号・クレジットカード番号など)

ガスは入居者が開栓できないため、引っ越し当日に慌てて申し込んでも間に合わない可能性が高くなります。
また、土曜日や日曜日に開栓してくれるガス会社もありますが、必ずしも希望通りの日に開栓できるとは限らないので、スケジュールには余裕を持っておきましょう。

ガス料金の支払い方法は、口座振替・クレジットカード払い・スマホ決済・振込用紙などから選べます。
電気・水道と同様に口座振替で割引を受けられる可能性もあるため、契約する際にチェックしてみましょう。

開栓作業

開栓当日はガスの開栓作業や警報装置の動作確認、ガス漏れの有無などの安全点検が行われるため、作業員の方が対応してくれます。
入居者も立ち会う必要があるので、予定の時間に対応できるようにしておきましょう。

賃貸の電気契約で知っておきたいポイント

賃貸住宅でも、契約を工夫すれば電気料金を安くできます。工夫できる3つのポイントについてまとめました。

賃貸の場合は電力会社を選べる?

一般家庭向けの電力小売が自由化されたことで、様々な分野の会社が電力小売事業に参入して「新電力会社」を設立。
大手電力会社よりも安い価格で電気を提供するサービスを始めています。
賃貸住宅でも契約する電力会社を自由に選ぶことができますが、以下のような時には選べないケースも。

  • 管理組合が電力会社と「高圧一括受電契約(マンション一棟分の電気を一括契約して電気料金を削減する契約)」を交わしている
  • 大家さんが電力会社に直接電気代を支払っている

電力会社を自分で決めたい場合は、入居前に確認しておきましょう。

契約アンペアを変更するには

「アンペア(A)」は一度に流れる電流の分量を表す単位で、アンペアの数値が大きいほどたくさんの家電を同時に使用可能です。
30A・40A・50A・60Aといった区切りで契約でき、アンペア数によって電気料金にも違いが。ひとり暮らしの方や仕事が忙しくて家にいる時間が短い方は、低いアンペアで契約しておくと電気料金の節約が可能です。

契約した後でも契約アンペアの変更はできますが、アナログの電気メーターの場合は屋内のアンペアブレーカーの交換が必要になります。
交換費用は無料ですが、交換してもよいか大家さんや管理会社に事前に相談しましょう。

電気とガスをセット契約すると安くなる?

電力会社によっては「電気とガス」「電気とインターネット」「電気と携帯電話」など、セットで契約することで割引が適用される場合も。
複数社に支払う必要が無くなるため、電気とガスの手続きが1回でできたり、家計管理がしやすくなったりといったメリットもあります。

賃貸の水道契約で知っておきたいポイント

水道の契約で知っておくと便利なポイントを2つ紹介します。

水が出ない時の対処法は

元栓・水止め栓を開いたのに水が出ないといった場合には、水道が「直結給水方式」か「貯水槽給水方式」かによって対処法が異なります。

水道管を通って直接給水されている「直結給水方式」の水道

水道局が水を止めている可能性があるため、水道局に連絡してみましょう。

水道水を一旦貯水槽に貯めて、その後給水する「貯水槽水道方式」の水道

貯水槽の点検中もしくは故障の可能性があります。まずは管理会社や大家さんに確認してみましょう。

同一市区町村内の引っ越しの際は手間が減る

電気・ガスと違い、水道は自治体の水道局が管理しています。
同じ市区町村内で次の引っ越しをする場合は管轄している水道局が同じなので、1度の連絡で閉栓・開栓手続きが可能。
水道料金の支払いも、旧住所の水道料金が新住所の水道料金に加算されて口座から引き落とされます。

ただし、契約名義人を変更したいという場合には電話やインターネットでは対応してもらえません。
住んでいる地域を管轄している水道局に「給水装置使用者変更届」という書類を提出する必要があります。

賃貸のガス契約で知っておきたいポイント

賃貸物件で使われるガスには「都市ガス」と「プロパンガス(LPガス)」の2種類。
2つのガスの違いや注意点を知っておくと、物件探しや契約変更の際に役立ちます。

都市ガスとプロパンガスの違い

それぞれ供給の仕組みが違うため対応するガス機器の仕様も異なります。
「都市ガスエリア→プロパンガスエリア」「プロパンガスエリア→都市ガスエリア」というようにガスの種類が異なるエリアに引っ越すと、それまで使っていたコンロは使えません。

都市ガス

メタンを主成分とする液化天然ガス(LNG)。
ガス会社が道路下のガス管を通じて供給しています。

プロパンガス

ブタンを主成分に持つ液化石油ガス(LPG)。
充填所でタンクに詰められて、各家庭に配達されています。

料金については、配送に人件費などもかかっているためプロパンガスのほうが高くなります。

ガス会社は変更できる?

ガスの小売事業は自由化されているので、ガス代が安くなるガス会社に切り替えたいと思う方もいるでしょう。
賃貸住宅では同じ種類のガスを扱う会社での契約変更はしやすいですが、異なる種類のガス会社の場合は難しくなります。

例えば、プロパンガスを扱う会社から都市ガスを扱う会社に切り替えるには、3つの工事が必要となります。
それは以下の通りです。

  • 都市ガスを引くためのガス本管を道路に埋め込む「ガス本管工事」
  • プロパンガス配管を都市ガス配管に取り換える「宅地内ガス配管工事」
  • 建物内のプロパンガス用機器を都市ガス用の機器に交換する「ガス機器工事」

当然大家さんの了承が必要になりますが、工事費は大家さんが負担する上に他の入居者とも調整が必要になるなど、導入するのはかなりハードルが高いでしょう。

また、あらかじめ契約できるガス会社が大家さんなどから指定されていることもあります。
ガス料金を安く抑えたい場合には、引っ越し先の物件で契約できるガス会社と、どんな種類のガスを扱っているのかを確認しましょう。

賃貸退去時は電気・水道・ガスの契約はどうする?

電気の賃貸退去時の手続き

電力会社に解約の連絡をする

電力会社に契約解除の連絡をする時に、次のような情報を準備しましょう。

  • お客様番号
  • 供給地点特定番号
  • 契約者名
  • 引っ越し日時
  • 電気の使用を廃止する住所
  • 電話・メールアドレス・引っ越し先の住所などの連絡先

お客様番号と供給地点番号は検針票に記載されています。

ブレーカーを落とす

基本的に退去時にはブレーカーを落としておきましょう。
ただし、寒さが厳しい地域の場合は電気を通しておかないと配管が凍結してしまうことがあるため、確認が必要です。

退去日に電気メーターを確認してもらい、その時点までの電気料金を支払う形になりますが、オートロックなどで作業員が入れない場合は立ち会いを求められることもあります。

水道の賃貸退去時の手続き

上下水道の契約解除の手続きを説明します。

連絡前の準備

水道局に連絡をする前に必要な資料や情報を用意します。

  • 閉栓希望日
  • 検針票や領収書などの現住所のお客様番号が分かる資料
  • 退去する現住所
  • 電話番号や新住所などの連絡先

水道局へ解約の連絡

引っ越しの3~4日前までに、インターネットや電話を使って閉栓の連絡をします。
大家さんなどが一括で水道代を支払っている場合は、大家さんや管理会社にも連絡をしましょう。

引っ越し当日までに使った水道料金を精算する

引っ越し当日(閉栓日)に、水道局の検針員がメーターを確認。
それまで使った水道使用量を検針します。
水道料金の精算には、「口座引き落とし」「振込」「検針員に直接支払う」などの方法がありますが、水道局ごとに精算方法が異なるので事前に確認しておきましょう。

解約手続きが退去当日になってしまった時は、自分で閉栓します。
この時、水道メーターの写真を撮影しておくと精算時のトラブルを防ぐことができるでしょう。

ガスの賃貸退去時の手続き

ガスの使用停止手続きは、引っ越しをする1週間前にすませておきましょう。
手続きの順番は次の通りです。

必要な情報を準備してガス会社に解約の連絡をする

  • 現住所
  • 契約者の氏名
  • 引っ越し予定日時
  • 引っ越し先の住所
  • お客様番号

お客様番号は、検針票やガスメーターに貼ってあるシールから確認できます。

閉栓作業

ガスの閉栓作業については、ガスメーターがある場所まで作業員が立ち入ることができれば、作業への立ち会いは不要です。
そのため、ガスメーターが室内にありオートロック式の建物の場合は立ち会う必要があります。退去のスケジュールを調整する際に気を付けましょう。

月の途中で引っ越した場合の料金はどうなる?

月の途中で引っ越した時の料金は、解約直前の検針日から退去日などの契約が解除される日までの日割り計算で請求されることが一般的です。
しかし、契約の特典としてネットやスマホ割引などがあるプランの場合は解約金が発生することも。
トラブルにならないよう、契約書にきちんと目を通しておきましょう。

テックとピア

監修者名

テクトピア編集部

プロフィール

テクトピアは、賃貸マンション・アパート建設で地元から厚い信頼を得る株式会社クラストの不動産賃貸課です。RC造を主体とした堅牢で耐震・耐火性に優れた建物を提供し、デジタロックなどの先進設備で安心・快適な暮らしを実現。首都圏・東海・関西エリアに3万件超の管理物件と約20店舗を展開し、24時間体制で入居者をサポートしています。

有資格者が在籍するテクトピア編集部が、不動産実務で培った知見をもとに本コラムを監修しています。

資格一覧

宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、賃貸住宅メンテナンス主任者、
少額短期保険募集人、土地活用プランナー

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