木造アパートの賃貸はアリ?デメリットとメリットを徹底解説

木造賃貸アパートのデメリットをチェック!「音が響きやすいって本当?」「耐震性は大丈夫?」「虫が入ってきそう…」などの不安要素とその対策を、丁寧に解説しています。

目次

木造賃貸アパートのデメリットとメリット

木造賃貸のデメリット

遮音性が低い

木造アパートのデメリットとしてよく挙げられる「遮音性の低さ」。生活音が響きやすく、騒音トラブルのリスクが高いという特徴があります。
一般的に木造建築の遮音性能は重量鉄骨造やRC造と比較して10~15dB程度低く、生活音が響きやすいので普段から注意が必要です。
まず多いのが上階からの足音で、特に早朝や深夜は普通に歩いているだけでも階下に響いてしまいます。また、隣室のテレビの音や話し声が筒抜けになることも珍しくありません。洗濯機の振動が建物全体に響いたり、トイレの流水音やシャワー音が聞こえたりする物件もあります。
「隣人の目覚まし時計の音で毎朝起きてしまう」「上階の子どもの走る音で在宅ワークに集中できない」といった深刻な体験談も。入居前の内見でしっかりと確認し、必要に応じて十分な防音対策を立てましょう。

耐震性に不安がある

築年数の古い木造アパートは、大地震の際に倒壊リスクが高い傾向があります。
木造建築の耐震性は築年数によって大きく異なり、1981年6月に施行された新耐震基準では震度6強~7程度の地震でも倒壊しないことが求められ、2000年6月には具体的な工法に関して規定されました。
耐震性に不安がある場合は、建物が建築された年を確認すると耐震基準がある程度判断できます。実際、阪神・淡路大震災では、倒壊した建物の多くが旧耐震基準の木造建築でした。

被害(大破、倒壊・崩壊)阪神淡路大震災熊本地震
旧耐震基準約30%28.2%
新耐震基準約10%8.7%
2000年基準2.2%

木造建築は築年数による構造劣化も無視できません。接合部の緩みや木材の腐朽が進行し、当初の耐震性能を維持できなくなる可能性があります。築30年を超える物件では、耐震診断や補強工事の実施状況を確認することが重要です。

※参照:日本耐震診断協会「「新耐震」でも倒壊の恐れ 2000年5月以前の木造住宅」

冷暖房の効きが悪い

木造は鉄筋コンクリートに比べて熱伝導率は低いものの、壁や窓の断熱・気密性能によって室内環境が大きく左右されます。
気密性を表す指標のC値(平米あたりの隙間相当面積:立方センチ/平米)が低いほど隙間が少なく高気密を表し、高気密住宅でのC値は2.0以下が目安です。
一般的な木造住宅のC値は5.0ですが、築年数が古い物件では測定されていないケースもあり、高い冷暖房効率は期待できないかもしれません。光熱費の浪費につながる場合は適切な対応が必要です。

虫や湿気に弱い

建材に木を使用していると虫害や湿気の影響を受けやすく、特にシロアリの食害による木材自体の劣化が耐震性や耐久性を低下させます。ゴキブリやダニなど害虫も侵入しやすく、快適な居住環境の維持が懸念材料です。
梅雨時や湿度の高い地域では腐朽や変形の進行が早く、床の軋みや建付け不良の原因となります。湿気はカビの発生を招くため、アレルギーや呼吸器系への影響も心配です。喘息などの持病があるなら、北向きで日当たりや風通しの悪い間取り・沿岸部や川沿いの物件は選択肢から外すほうがよいかもしれません。
物件を見学する際には外壁の防水状態・床下換気口の有無・壁紙や床のカビ・結露などを確認し、入居後は必要に応じて除湿機を活用しましょう。家具と壁との間を空けて通気を確保するなど、日常的な湿気対策と害虫予防を心がけることが重要です。

耐用年数が短い

木造建築の法定耐用年数は22年とされており、RC造(47年)や鉄骨造(34年)と比較すると短い期間です。実際はメンテナンス次第でより長く住めますが、老朽化は進行します。配管の腐食や劣化による漏水・電気系統のトラブル・外壁や屋根も風雨にさらされているため、約10年単位で修理や補修が必要です。
賃貸物件の老朽化が激しく安全性や快適な住環境に影響があるとオーナーが判断した場合、改修のために退去するよう求められます。築年数が古い木造賃貸に住む場合は、過去の修繕履歴や今後の計画も確認しておくと安心です。

※参照:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」

木造賃貸のメリット

家賃が安く初期費用を抑えやすい

木造賃貸物件の家賃約5万円に対してRC造は約6万円と1万円ほど差があり、年間では約12万円、初期費用(敷金・礼金・仲介手数料など)も数万円単位で変わってきます。
木造物件は築年数が経っていても立地の良いエリアに残っている場合が多く、交通アクセスや生活利便性を重視しながら予算を抑えたい人にとっては好条件の選択肢となります。浮いた家賃分を貯蓄やインテリア・防音・断熱対策に回せる点も魅力といえるでしょう。
初めての一人暮らしや家族ごと引っ越してきた世帯など、まとまった資金を用意しづらいケースでは、木造賃貸のコストメリットが生活の安定に直結するでしょう。

通気性が高く湿気に強い

木造物件は日本の高温多湿な気候に適した構造です。木材が持つ「調湿機能」により室内の湿度を50〜60%程度に保ちやすいため、以下のようなメリットがあります。

・じめじめした梅雨でも、部屋がカラッとしやすい
・結露によるカビの発生リスクが低い
・自然素材のため、化学物質による健康被害の心配が少ない

一方で「夏は涼しく冬は寒い」という特徴もあります。特に冬場は暖房費が高くなる可能性があるため、内見時に窓のサッシや壁の断熱性能も確認しておくとよいでしょう。

構造的に広い間取りが多い

木造の建物のほとんどは在来工法(木造軸組工法)が採用されており、少ない柱や梁でレイアウトできる自由度の高さが特長です。部屋数を確保しながら広々としたリビングを作れるため、間取りのバリエーションも豊富になります。
リフォームや間取り変更も比較的容易で、居住者ニーズに合わせた改修を行いやすい点も魅力です。築年数が経過していても、内装を一新して快適な空間に生まれ変わった物件も多く見られます。

ペット可物件が比較的多い

木造住宅では空室対策としてペット可にしている物件が多く見られます。ペット可物件は需要が高く都市部では競争率が高くなるため、木造賃貸を条件に加えると物件が見つかりやすくなるでしょう。
その一方で、ペットの種類や飼育頭数の制限のほか、傷のつきにくい床材・脱臭機能・脱走防止のフェンス・洗い場といったペット対応に必要とされる設備が整備されていない物件も多いので注意が必要です。
鳴き声やペット特有の行動が近隣住民とのトラブルを招くリスクも含まれていますので、飼い主としての責任が問われないよう物件選びは慎重に行いましょう。

1ルーム賃貸で比較!木造VS他の構造

1ルーム賃貸物件の相場や性能を、構造別(木造・RC造・鉄骨造)に比較してみました。

項目木造RC造鉄骨造
家賃相場約5万円約6万円約5万円
遮音性壁や床は音を通しやすく上下階や隣室からも生活音が響きやすいコンクリートの厚みと重量で防音性が高く生活音が響きにくい軽量鉄骨は木造に近く重量鉄骨はRC造に近い
耐震性新耐震基準以降や耐震補強済みなら一定の安全性あり・築古や劣化で強度低下の可能性も構造的に強く大地震にも耐えやすい木造より高い耐震性だが軽量鉄骨は揺れやすい傾向
断熱性通気性や調湿性があり夏は涼しく冬は暖かい傾向高気密で断熱性が高いが結露が発生しやすい熱伝導率が高く夏は暑く冬は寒くなりやすい
耐用年数法定耐用年数22年だがメンテナンスで50年以上も可能法定耐用年数47年で耐久性が高く長寿命軽量鉄骨19年・重量鉄骨34年が法定耐用年数
メンテナンス性シロアリや腐朽対策が必要・修繕頻度が高い外壁や防水など定期点検で長期使用可能錆や防音・断熱性能維持のための補修が必要
メリット建築・家賃コストが安く通気性・調湿性の高さで快適・間取り自由度が高い遮音・耐震・耐火・耐久性が優れ資産価値が高い重量鉄骨であれば木造より耐震性が高い
デメリット遮音性が低く騒音トラブルが起きやすい・築古だと耐震性が低い場合も・虫害や湿気に弱い高家賃・高気密ゆえの結露・カビリスクあり軽量鉄骨は遮音性・断熱性が低い・錆対策や断熱補強が必要
向いている人家賃を抑えたい・風通しや自然素材の快適さを優先静かな環境で長く住みたい・耐震性・耐火性を重視する安全志向耐震性と家賃のバランスを求める

木造賃貸のデメリットを補う選び方と住む工夫

2000年以降の物件を選ぼう

築年数は快適性と安全性を左右する重要な指標のひとつです。2000年の建築基準法改正で地盤調査・接合部の金物補強の義務化・耐力壁配置の見直しなどが行われ、木造住宅の耐震性能が格段に向上しました。実際に、熊本地震での倒壊率減少につながっています。
さらに断熱性能についても同年施行の「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」によって断熱等級が定められ、窓や玄関ドアなどの開口部の断熱施工が求められるようになりました。防音や遮音性能についても指標があり、床はL値・ドアやサッシはT値・壁はD値として、それぞれ等級で客観的に評価できるようになっています。
2009年から始まった長期優良住宅認定制度の適合物件であればメンテナンス計画や劣化対策が整備されており、築年数が経過しても住環境が良好に保たれているため、認定の有無をチェックするようにしましょう。

※参照:土交通省・日本建築防災協会「新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法」
※参照:東京都耐震ポータルサイト「7.新耐震基準の木造住宅への耐震化支援」

防音対策と間取り配置の工夫

騒音ストレスを減らすには、入居前の確認と入居後の工夫が不可欠です。
内見時に壁や床を軽くノックして音の響きを聞く、床を踏んで軋みや振動を確認するなど、簡単な方法でも遮音性の目安が分かります。窓が複層ガラスかどうかもチェックポイントです。
入居後は厚手のカーペットやラグを敷いて足音や振動音を吸収させる・遮音カーテンや吸音材で外部からの騒音を低減させるなど、防音グッズは一定の効果が期待できます。騒音予防の定番のレイアウトとして、スピーカーやテレビは壁から離し、重い家具を壁際に配置するのも一案です。
生活音は時間帯によって相手の感じ方が大きく変わりますが、洗濯機や掃除機は日中に使用して夜間の楽器演奏を控えるなど、常識的な範囲での使用を心がけましょう。入居後に隣人への挨拶を済ませておくと、トラブルが発生した際の話し合いもスムーズになります。

木造賃貸の角部屋・最上階・中部屋の選び方

角部屋

角部屋は隣接する住戸が一方向だけなので、生活音の影響を受けにくいという利点があります。窓が二面にあるため、通風や採光も良好です。
人気が高いため同じ間取りでも家賃は多少割高に設定される傾向がありますが、音に敏感な人や換気を重視する人には向いています。

最上階

最上階の賃貸物件は上階からの足音や物音がなく、日当たりや眺望が優れているのがメリット。屋根の直下で夏場は熱がこもりやすく、冬場は冷えやすい点がデメリットです。
階段で移動する際は階数が多いほど負担になりますが、静かさを優先したい単身者や在宅時間の長い人に向いています。

中部屋

上下左右に住戸がある中部屋は、遮音性の面ではもっとも不利。一方、建物の中心部にあるため外気温の影響を受けにくく、光熱費が抑えられる可能性があります。
家賃は角部屋や最上階より安い傾向があるため予算重視の方に向いていますが、防音対策は必須です。

内見時のチェックポイント

内見する時の確認項目は多岐にわたりますが、最低限見ておきたい部分を取り上げます。
騒音や生活音に影響する壁は、ノックした時の音が軽ければ厚みが十分でないかもしれません。床は実際に歩き回って軋みや沈み込みがないかを確認しましょう。建具(ドアや窓)の開閉がスムーズでない場合、建物の歪みや湿気の影響が考えられます。
周辺環境も重要です。近くに交通量の多い道路や商業施設がある場合は、時間帯を変えて騒音を確認しましょう。ゴミ置き場や駐輪場の位置を確認して清掃状況や利用マナーが守られているかを見ておくと、住人層や管理状況の目安になります。

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理想的な物件を見つけるには、まず自身で木造アパートの魅力やリスクをきちんと把握したうえで、豊富な物件情報を持ち地域の事情にも精通した信頼できる不動産会社に相談するのが賢明です。
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監修者名

テクトピア編集部

プロフィール

テクトピアは、賃貸マンション・アパート建設で地元から厚い信頼を得る株式会社クラストの不動産賃貸課です。RC造を主体とした堅牢で耐震・耐火性に優れた建物を提供し、デジタロックなどの先進設備で安心・快適な暮らしを実現。首都圏・東海・関西エリアに3万件超の管理物件と約20店舗を展開し、24時間体制で入居者をサポートしています。

有資格者が在籍するテクトピア編集部が、不動産実務で培った知見をもとに本コラムを監修しています。

資格一覧

宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、賃貸住宅メンテナンス主任者、
少額短期保険募集人、土地活用プランナー

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