定期借家とは?普通借家との違い、メリット・デメリットを紹介

定期借家(読み方:ていきしゃっか)とは、あらかじめ契約期間が定められており、期間が満了すると原則として更新ができない賃貸借契約のことです。
2000年の借地借家法改正によって導入された比較的新しい制度で、欧米ではスタンダードな契約形態として知られています。一般的な賃貸とは異なるルールが適用されるため、借りる前にメリット・デメリットをしっかり理解しておくことが重要です。
本記事では、普通借家との違いや、定期借家ならではの特徴をわかりやすく解説します。

定期借家とは?普通借家との違い、メリット・デメリットを紹介
目次

定期借家と普通借家の違いとは?

定期借家と普通借家の違いは、契約期間が満了したあとに「更新できるかどうか」にあります。普通借家では借主が希望すれば原則として契約が更新されますが、定期借家は期間の満了とともに契約が終了し、更新は認められません。双方の合意がある場合に限り、新たな条件で「再契約」することは可能です。

契約更新の有無に加え、借り方のルールにも違いがあります。普通借家は1年未満の契約ができない一方、定期借家は3カ月や半年といった短期契約も可能です。

また、普通借家は口頭でも契約が成立しますが、定期借家は書面による契約書の作成が義務付けられており、さらに貸主は契約書とは別に「更新がない旨」を書面で説明しなければなりません。借主が不利になりやすい分、こうした厳格な手続きが定められています。

定期借家の割合はどれくらい?

定期借家の普及率は、まだ低水準にとどまっています。国土交通省の「令和6年度住宅市場動向調査」によると、三大都市圏で民間賃貸住宅に住み替えた世帯のうち、定期借家契約を利用したのは2.1%にすぎません。

さらにこの調査では、定期借家制度を「知っている」と回答した人は15.8%、「名前だけは知っている」は24.7%で、「知らない」と回答した人が6割近くを占めており、認知度・普及率ともに課題が残ります。

ただし、空き家活用策への注目とともに、今後利用が広がる可能性があると指摘されている点にも注意が必要です。

参照元:国土交通省|令和6年度住宅市場動向調査(https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001900667.pdf

定期借家を借りる3つのメリット

定期借家には、一般的な賃貸物件にはない特有のメリットがあります。契約期間の柔軟性や物件の質、賃料水準など、状況によっては普通借家より有利な条件で住まいを確保できる可能性もあるのです。

短期契約が可能

定期借家では、3か月・半年といった1年未満の短期契約を結べます。普通借家では最低1年の契約期間が求められるため、転勤や単身赴任、持ち家のリフォーム中の仮住まいなど、住む期間があらかじめ決まっている人には特にマッチした選択肢です。必要な期間だけ契約できるため、入居後に引越しを余儀なくされる心配がなく、生活スケジュールを立てやすくなります。

住宅設備が充実している

定期借家物件には、貸主が自宅として建てた戸建てや分譲マンションをそのまま貸し出すケースが少なくありません。オーナーが自分で住むために整えた住宅設備がそのまま使えるため、一般的な賃貸物件では見られないような充実した仕様の部屋に入居できる可能性があります。設備面や居住環境を重視する人にとっては、普通借家では得難いメリットです。

好条件で借りられる

定期借家物件は、契約期間の制約がある分、一般的に家賃が相場より低く設定される傾向があります。貸主が入居者を確保するために賃料水準を下げる動機が働くためです。

建て替えや取り壊しが決まっている物件では、この傾向がとくに顕著。また、同じ住環境を維持するために、入居者のルール違反があった場合に貸主が契約終了を選びやすい制度設計上、住民の質が保たれやすいといった面もあります。

定期借家を借りる3つのデメリット

メリットがある一方で、定期借家には借主にとってデメリットになりかねない、注意が必要なルールもあります。とくに解約と退去に関して、普通借家とは大きく異なる点を事前に把握しておくことが重要です。

途中で解約できない

定期借家契約は、原則として契約期間の途中での解約ができません。やむなく解約した場合、残期間分の家賃を請求されるリスクがある点はデメリットです。

ただし、居住用建物(床面積200㎡未満)で、転勤・療養・親族の介護など生活の拠点として使用し続けることが困難な事情がある場合に限り、借主からの中途解約申し入れが認められます。この特例に該当するかどうかは状況によって判断が分かれることがあるため、契約前に中途解約に関する特約の有無を必ず確認しましょう。

再契約の時に条件が悪化することがある

契約期間が終了したあとも住み続けたい場合は、再契約という形で改めて契約を結ぶ必要があります。再契約は貸主・借主双方の合意が前提であり、貸主が拒否すれば継続できません。合意に至った場合も、賃料が値上がりするといった、以前より条件が悪化するリスクがあります。

契約期間後は早急に退去が必要

定期借家では、契約期間が満了した時点で確実に退去しなければなりません。ただし、契約期間が1年以上の場合は、貸主が期間満了の1年前から6か月前までに「契約が終了する旨」を書面で通知する義務があります。そのため、次の住まいを探す時間は一定程度確保されていると言えるでしょう。

一方で、新居探し・引越し・退去手続きをすべてこなす必要があるため、転居コストが不可避に発生するのはデメリット。長く住み続けることを希望する場合には、定期借家契約は向いていない契約形態といえます。

よくある質問

定期借家2年の意味は?

定期借家2年とは、契約期間を2年と定めた定期借家契約のこと。2年間の契約が満了した時点で契約は終了し、原則として更新はありません。引き続き同じ物件に住みたい場合は、貸主・借主双方の合意のもとで再契約が必要です。

また、契約期間が1年以上であるため、貸主は期間満了の1年前から6か月前までに契約終了の通知を行う義務があります。「2年後には必ず退去が必要」という前提で入居する契約である点を、あらかじめ認識しておくことが大切です。

定期借家のデメリットは何?

借主にとっての主なデメリットは、契約期間の満了とともに退去が必要になる点と、原則として中途解約ができない点です。再契約が認められない場合もあり、たとえ合意に至っても賃料アップなど条件が変わるリスクがあります。

また、短期間での転居が発生しやすい構造上、繰り返し定期借家を利用する場合には引越しコストがかさんでしまうケースも少なくありません。長期的に同じ場所へ住み続けることを重視する人には不向きな契約形態です。

定期借家の条件とは?

定期借家契約は、必ず書面での契約書作成が必要です。加えて、貸主は契約書とは別の書面で「この契約は更新がなく、期間の満了によって終了する」旨を借主に事前に説明する義務があります。この説明を怠った場合、定期借家契約としては無効となり、普通借家契約とみなされます。借主の立場からは、契約期間・再契約の可否・中途解約の特約の有無を必ず確認することが、トラブルを防ぐための重要なチェックポイントです。

まとめ

定期借家は、あらかじめ決まった期間だけ住まいを借りる契約形態です。短期契約が可能である点や、賃料が相場より抑えられることが多い点、良質な物件に出合いやすい点などはメリットとして挙げられます。

一方で、中途解約が原則できない点や、期間満了後の退去が確実である点は、長期的な居住を希望する人にとってリスクになります。

定期借家を検討する際は、契約期間・再契約の可否・中途解約の特約を必ず事前に確認し、自分のライフプランに合った選択をすることが重要です。

テックとピア

監修者名

テクトピア編集部

資格一覧

宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、賃貸住宅メンテナンス主任者、
少額短期保険募集人、土地活用プランナー

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