
賃貸物件内での喫煙は契約内容次第
賃貸借契約書に喫煙不可と書かれていなければ、基本的には室内での喫煙は可能です。ただし、室内に残るニオイやヤニによる汚れなどを落とす原状回復費用がかさむことを忘れてはいけません。見えるところだけでなく換気扇やダクト内の清掃も必要で、原状回復費用は高額になることもあります。
喫煙不可にも関わらず喫煙が発覚した場合、違約金支払いや退去勧告を受けることがあるため事前確認が必要です。
室内でタバコを吸うとどうなる?
室内が汚れる
タバコの煙には樹脂やアンモニア・硫化物などの化学物質が含まれるため、室内に蓄積するとニオイや黄ばみの原因になります。一度染みつくと簡単には落ちないので、普段からこまめな清掃が必要です。
喫煙による室内の状態変化は「入居者の故意・過失による行為によるもの」とされており、借り主の責任で原状回復を図らなくてはなりません。
近隣トラブルが起こりやすい
マンションのベランダは「共有部分での火気厳禁」と契約書に明記されるケースが多く、これにはエントランスや非常階段も含まれます。
仮に契約上は問題なくても、近隣住人の中には洗濯物へのニオイ移りや受動喫煙を懸念する方も少なくありません。ベランダでの喫煙はトラブルに発展する原因なので、控えたほうが良いでしょう。
健康志向に反している
タバコが原因の肺がんは男性で70%、女性で20%という調査結果があります。副流煙には、主流煙の数倍も有害物質が含まれていることからも「喫煙は近年の健康志向の高まりに反した行為」と言わざるを得ません。近年は「喫煙の可否」が物件の選定を左右するほど重要視される傾向にあります。
2018年に施行された改正健康増進法では、公共施設や交通機関での受動喫煙対策が講じられました。同法により「屋内では基本的に禁煙」とされたことから、賃貸アパートにも禁煙の物件が増えているのです。
※参照元:厚生労働省「受動喫煙対策」
タバコの汚れ・臭いの原状回復について
2008年に制定された「原状回復のガイドライン」について、その内容とタバコとの関係について見ていきましょう。
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」とは
「原状回復のガイドライン」は、入居時・退去時のトラブル対策として定められたものです。
賃貸物件への入居期間の長さや物件の環境次第では、損傷が避けきれないこともあります。同ガイドラインでは「入居者の故意や過失による傷や汚れ以外の経年劣化などによるものは原状回復する必要がない」と定義しているほか、喫煙は「明らかに通常の使用等による結果とは言えないもの」と解釈されています。これは借主の原状回復費用負担が多くなる根拠となるため、自己責任が増すことを自覚しておかねばなりません。
加えて、「ガイドラインの制定以前に締結されている契約は契約書に優先される」とも解説されており、契約条文が曖昧だったり記載がなかったりといった場合には退去時のトラブルになる可能性が高くなります。喫煙については管理会社や大家さんへ事前に確認をとり、場合によっては契約書を再締結する必要もあるかもしれません。
※参照元:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について」
賃貸物件でタバコを吸うときの対策
賃貸契約書に制約事項がなければ、室内外での喫煙に問題はありません。ただし、長く気持ちよく住むためには近隣への配慮は欠かせません。どのような場所であれば問題なく喫煙できるのでしょうか?
喫煙して良い場所なのかを確認する
まずは貸借契約書を確認しましょう。「ベランダでの喫煙禁止」と書かれていなくても、「共用部での喫煙禁止」と書かれていればNGになります。
例えベランダでの喫煙がOKだとしても、両隣と真上の部屋に洗濯物や布団などが干されている場合は風向きに注意するほか、喫煙するタイミングをずらすよう心掛けましょう。
換気扇の下で吸う
換気扇の真下でタバコを吸うと、室内に臭いがこもるのを防いでくれます。換気扇自体は汚れてしまいますが、リビングで喫煙するケースに比べるとニオイは抑えられるでしょう。
ただし、物件によってはダクトを通って近隣の部屋に入り込むことがあります。万が一近隣に迷惑をかけた場合のリスクも併せて、不動産会社に事前確認をしておきましょう。
室内では空気清浄機を利用する
部屋全体に臭いを付着させないためには、空気自体をクリーンにすることが重要。空気清浄機は喫煙時だけでなく常時稼働させるのが理想的です。
喫煙する部屋を決める
喫煙トラブルは近隣とのトラブルに限りません。家族や恋人と同居していれば、同居人の間でもトラブルは起こり得ること。喫煙を嫌う人がいるなら、家では吸う部屋を決めておくと互いに過ごしやすくなるでしょう。
電子タバコに変える
電子タバコならニオイや汚れの原因となる煙がでないので、部屋でも吸いやすくなります。火気厳禁の共有スペースの中には、「電子タバコは喫煙可」としているところもあるので確認してみましょう。
こまめに掃除する
喫煙が日常的になると、室内のタバコ臭や汚れに疎くなりがちです。壁や床、窓、網戸などの拭き掃除はこまめに行うことを心掛けましょう。汚れが溜まる前に掃除すれば、ニオイの付着や原状回復費用も抑えられるはずです。

監修者名
テクトピア編集部
資格一覧
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、賃貸住宅メンテナンス主任者、
少額短期保険募集人、土地活用プランナー



























