
- 礼金とは大家さんにお渡しする謝礼金
- 礼金の相場は家賃の1~2ヶ月分
- 礼金と敷金の違いは謝礼と保険のようなもの
- 礼金は減額できる可能性もあるが、無理な交渉はNG
- 初期費用を礼金以外で抑えるならフリーレント物件
礼金とは大家さんにお渡しする謝礼金
礼金とは、住まいを貸してくれた大家さんに感謝の気持ちを込めて渡すお金のことです。
礼金の始まりは、次の2つの説が有力とされています。
ひとつ目は、1923年の関東大震災があった後。賃貸物件が少なかった当時、関東大震災で家を失って困っている人を優先して住まいを貸した大家さんに、お礼として渡したとする説です。
ふたつ目は、高度成長期。集団就職で上京する子どもの親が、「そちらで頼れる人がいない子どもがご厄介になります。何かあった時はよろしく」という意味で大家さんに渡したとする説です。
現代では賃貸物件数の増加とともに不動産会社が仲介するケースが増え、大家さんと入居者との付き合いはほとんどないというところもあります。
中には、大家さんと一度も会ったことがない・大家さんの名前すらわからないといった人も。
始まりから考えて、礼金は大家さんにのみに支払われるべきものです。
しかし、大家さんとの付き合いが希薄となった現在では慣習だけが残り、空き室を埋めてくれたお礼として不動産会社が礼金を受け取る流れも生まれています。
礼金の額は慣習であり法律によるものではありません。そのため、礼金不要の物件も数多くあります。
なお、公的機関の賃貸物件の場合は礼金不要です。
礼金の相場は家賃の1~2ヶ月分
国土交通省住宅局の「令和4年度住宅市場動向調査報告書」によると、礼金として家賃1ヶ月分を設定している物件は約7割と圧倒的に多い状況。
令和元年度は71.7%、令和2年度は66.8%、令和3年度は72.1%、令和4年度は69.4%となっています。
家賃1ヶ月分に次いで多いのは2ヶ月分。令和元年度は13.1%、令和2年度は18.9%、令和3年度は14.7%、令和4年度17.7%となっているため、礼金は一般的に家賃の1~2ヶ月分を見ておくとよいでしょう。
しかし、人気のある地域や駅から近い場所など好条件がそろった物件は一般的な金額より礼金が高い場合もあります。
物件を探す際には自分が住みたい地域の相場を確認し、比較検討できるよう準備しておくのがおすすめです。
また、約5割の賃貸物件は礼金が不要となっています。
礼金なしの物件は、令和元年度は52.3%、令和2年度は48.2%、令和3年度は46.4%、令和4年度は46.5%となっており、入居時の初期費用を抑えたい人から高い人気を得ています。
※参照:国土交通省住宅局「令和4年度住宅市場動向調査報告書」
礼金と敷金の違いは謝礼と保険のようなもの
礼金と敷金は契約時に一度だけ支払うという共通点はありますが、その性質は異なるものとなっています。
礼金は謝礼を表すものなので戻ってきませんが、敷金は入居者が大家さんに前もって預ける保険のような性質があるため、退去後に返金されることがあります。
敷金は、部屋を退去する時に入居者が部屋を故意に破損・汚損した箇所の修繕費用や家賃の滞納があった場合に充てられるお金です。
修繕箇所や家賃滞納がなければ全額戻ってきますが、実際は修繕の基準が曖昧なため、全額が戻ってくることは滅多にありません。
関西地方や中国地方・九州などの一部地域では、敷金の代わりに「保証金」があります。
役割は敷金と基本的に同じですが「お礼を含める」といった考え方があり、敷金+礼金といった捉え方ができるでしょう。
敷金よりも高い月数・金額で設定されているケースが多いのが特徴的です。
前述した国土交通省住宅局の「令和4年度住宅市場動向調査報告書」によると、令和元年度から令和4年度までの統計で約5割の人が賃貸物件で困った経験としてあげているのが、「敷金・礼金などの金銭負担」。
住まいの初期費用の負担を軽くしたい人にとって、礼金と敷金は悩みのタネになっているがことがわかります。
礼金は減額できる可能性もあるが、無理な交渉はNG
契約する意思表示をして謙虚な姿勢でお願いすれば、礼金の値下げに応じてもらえる可能性があります。
ただし、強引な値引き交渉をすれば印象が悪くなり、入居を断られることもあるため注意しましょう。
現在は入居希望者が不動産会社に値引きをお願いして、不動産会社が大家さんと交渉をするケースがほとんど。
なので、値引き交渉をお願いする前に不動産会社の担当者に「その物件で過去に値引きに応じてもらえたケースがあるか」を確認しましょう。
前例がないようであれば、礼金の値引きは最初から諦めたほうが無難です。
少しでも住まいに掛ける費用を抑えたい人は、礼金にこだわらず他の項目での交渉も考えてみるほうがよいでしょう。
礼金の減額以外でできる交渉項目
・礼金を敷金にする
礼金は支払うと何も戻ってきませんが、敷金は戻ってくる可能性があります。
同じ金額を支払うのであれば、退去時の修繕費用や家賃滞納時の保険となる敷金のほうがお得です。
・オプション費用を外す
賃貸物件にはオプションのサービスが付いているケースがあるので、契約書はしっかり確認しましょう。
例えば、「24時間サポート」「消臭・消毒サービス」「簡易消火器設置」「害虫駆除サービス」などがオプションサービスに該当します。
オプション1件につき5千円から2万円程度に設定されているものが多いため、それらを外すとかなりの節約効果があります。
ただし、確実に不要なオプションのみを外すようにしないと、将来的に余計な手間と支出が増えることになります。
例えば害虫が多い住環境で害虫駆除サービスのオプションを外してしまえば、自分自身で駆除を手配しなくてはなりません。
オプション費用よりも高額になるケースが多く、持ち出し額が増えてしまいます。
オプションについて交渉する際は、確実に不要なものを吟味してから外してもらうようにしましょう。
初期費用を礼金以外で抑えるならフリーレント物件
一定期間家賃が無料の物件
家賃が一定期間無料になる「フリーレント物件」というものがあります。
これは大家さんが空き家対策に行っているもので、物件によって異なりますが、多くの場合は家賃が1~2ヶ月間無料となっています。
なお、家賃は無料でも管理費や共益費などは必要です。稀に不要な場合もあるので、事前に契約内容を確認しておきましょう。
短期間で退去すると違約金が発生する
短期間で退去すると、新たな入居者の募集や部屋のクリーニング費用などが大家さんの大きな金銭的負担に。
そのため、契約書には「短期解約違約金」の規定があります。
短期間で退去すると無料になるはずだった家賃に加えて、部屋のクリーニング費用を支払うといった契約内容がほとんどです。
フリーレント物件の利用は、それらの違約条項から外れる期間以上に住めるかどうかを検討しましょう。
付近の家賃相場額との比較を忘れずに
フリーレント物件の中には、付近にある似た条件の物件よりも家賃が高く設定されているものがあります。
最初から家賃無料期間分を家賃に上乗せして募集している物件で、そのことに気付かず「数ヶ月間家賃が無料になる」と喜んで契約すると、入居期間が長くなればなるほどお得ではなくなります。
フリーレント物件を選ぶ際には注意が必要ですが、初期費用が抑えられるのは大きなメリット。
満足できる物件に住むためにも、自分が住みたいエリアの家賃相場と比較しながら、契約条件や付帯設備などを確認することが大切です。

監修者名
テクトピア編集部
資格一覧
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、賃貸住宅メンテナンス主任者、
少額短期保険募集人、土地活用プランナー



























