賃貸契約の際、身寄りがないなどの理由で「緊急連絡先がいない」とお困りではありませんか?頼める人がいないと審査に通らないのではと不安になりますが、実は正しく対処すればお部屋探しは可能です。
本記事では、緊急連絡先の本来の役割から、代行会社の利用可否、保証会社との関係性までを詳しく解説します。いない場合の現実的な解決策を知り、スムーズな入居審査を目指しましょう。

- 賃貸契約の緊急連絡先がいない場合の4つの対処法
- そもそも賃貸契約になぜ緊急連絡先が必要なのか
- 緊急連絡先は誰が適切?
- 緊急連絡先として認められにくい方
- 緊急連絡先に連絡がいくのはどんな時?
- 連帯保証人・保証会社との違いは?
- 架空の連絡先やなりすまし(一人二役)はバレる?
- 生活保護者やDV被害者はどうすればいい?
賃貸契約の緊急連絡先がいない場合の4つの対処法
親族以外で緊急連絡先になってくれる人を探す
緊急連絡先は必ずしも親族である必要はなく、信頼できる人であれば友人や恋人、会社の上司でも問題はありません。
20歳以上の方であれば誰でも緊急連絡先として設定できます。
ただし、緊急時に自身に代わって連絡を受けた上で取り次いでもらう必要があります。
そのため、将来的に関係が悪化したり、転職などで疎遠になったりする可能性が高い人はなるべく避けたほうが無難。
また、恋人や友人であっても同居する場合は災害などの被害を一緒に受けてしまう可能性が高く、緊急連絡先としてはそぐわないため設定できない可能性があります。
請負会社に緊急連絡先を依頼する
事情があって親族や知人に緊急連絡先を頼めないという人のために、緊急連絡先を請け負うサービスをしている企業や団体もあります。
一定の料金掛かりますが、こういった請負会社に緊急連絡先を依頼するのも1つの手段です。
料金は請負会社によりますが、初回の事務手数料などで5,500円程度、契約料としては年間5,500円~7,000円程度になります。
契約更新についても1年ごと・2年ごとなど異なる場合があるので、依頼する際には契約条件を確認しておきましょう。
代行サービスに緊急連絡先になってくれる人を紹介してもらう
請負会社とは違い、緊急連絡先を頼める方を紹介してくれる代行サービスもあります。
サービスを提供する企業の厳密な審査を通過した方を紹介してくれるため、役職や職業などが確かな個人の方に緊急連絡先をお願いすることが可能。
紹介料金は1名あたり10,000~15,000円前後、紹介料金とは別に10,000円程度の登録料が掛かる場合もあります。
「知らない方に緊急連絡先を頼むのは、法律的に大丈夫?」と、違法なことや悪いことなのではと不安に思われる方もいるかもしれません。
結論として、代行サービスに違法性はまったくありません。
そもそも緊急連絡先の条件やルールについて定めている法律はありません。
自分と直接関係がない人であっても緊急連絡先としての役割ができるのであれば問題になることはないのです。
とはいえ、賃貸契約は長い期間の契約になるため、途中でサービス会社がなくなってしまっては困ります。
依頼をする際には実績や評判なども調べてみてください。
トラブルが心配な方は、緊急連絡先の代行サービスを利用することを事前に管理会社などにも伝えておきましょう。
地方自治体に相談する
高齢者や障がいを持っている方、生活保護を受けている方などは、各地方自治体の担当職員やケースワーカーに緊急連絡先となってもらえる場合があります。
窓口や手続き方法については各自治体によって異なるため、お住まいの役所にて相談してください。
弁護士に相談する
緊急連絡先はいないものの「代行業者に依頼するのはちょっと…」と思っている方は、弁護士に依頼するという方法も。
弁護士なら、緊急連絡先になるだけでなくトラブルがあった際の訴訟にも対応してくれます。
その分料金は少々高く、年間60,000~100,000円程度。弁護士以外にも、司法書士や行政書士にも依頼できます。
緊急連絡先が不要な物件を探す
物件によっては、連帯保証人がいれば緊急連絡先が不要な場合もあります。
また、緊急連絡先不要の物件に条件を絞って探すのも一手。不動産会社の中には緊急連絡先の代行サービスをオプションで付けることができる会社もあります。
しかし、通常の物件に比べて家賃が高くなってしまうため、予算とのバランスに注意しましょう。
シェアハウスは連帯保証人なしで入居可能な物件が多いものの、緊急連絡先は必須とされているのが一般的。
「保証人不要=緊急連絡先も不要」ではないため、気軽に入居できるからとシェアハウスを探している方も、緊急連絡先については目途を立てておきましょう。
そもそも賃貸契約になぜ緊急連絡先が必要なのか
緊急連絡先とは、入居者本人に連絡がとれない場合に備えた第二の連絡先のこと。
災害時の安否確認や生活に関わる伝達事項など、頻度は高くないものの大家さんや管理会社が入居者と連絡を取りたいタイミングはあります。
近年はほとんどの人が携帯電話を所有しているため、急に連絡をしてもつながりやすくはなっているものの、仕事中などで出られない場合も。
長期間そういった状態が続いてしまうと緊急連絡先に連絡が入ります。
そのため、不動産会社からの着信が分かるように電話番号を登録しておき、不在着信があったらできるだけ早く折り返すようにしましょう。
緊急連絡先は誰が適切?
物件を借りる際の緊急連絡先は「2親等以内の家族・親族」にお願いするのがベターとされていますが、事情によっては難しい場合もあるでしょう。
緊急連絡先として認められやすい方を紹介します。
親族
親族の中では、両親・配偶者・20歳以上の子ども・兄弟姉妹・祖父母・叔父・叔母が良いでしょう。
義理の親や義理の兄弟など関係が遠い親族を指定してしまうと、緊急時に迅速な対応ができない可能性があります。
親族にお願いする場合、以下のような組み合わせがよくある例になります。
- 契約者が夫または妻:配偶者(妻または夫)
- 契約者が子ども(18歳以上):両親
- 契約者が高齢の両親:子ども(20歳以上)
友人や恋人など
20歳以上であれば、友人や恋人、職場の上司、大学・学校の教員・職員に依頼することも可能。
自分に何かあった際や緊急事態に自分と代わって連絡を受ける人になるため、これから先も良い関係が続けられる人や信頼できる人にお願いしましょう。
緊急連絡先として認められにくい方
緊急連絡先として認められにくいのは以下のような方々です。
未成年者
小学生・中学生など未成年の中でも幼い年齢の場合は緊急時に適切な対処・判断ができない可能性があるため、基本的には緊急連絡先に設定できません。
場合によっては未成年であっても設定できますが、成人が条件になっていることがほとんどです。
2022年に成人年齢が20歳から18歳に引き下げられましたが、現時点では賃貸契約に大きな変更や影響はありません。
今後は契約者・連帯保証人・緊急連絡先が20歳から18歳に引き下げられる可能性があります。
高齢者
高齢者は耳が不自由だったり物事の理解能力が低下していたりする可能性があります。そのため、緊急連絡先として認められない場合も。
年齢的な区切りでいうと、後期高齢者(75歳以上)は認められにくいです。
認知症の場合なども適切な判断ができないため難しいでしょう。
ケースバイケースではありますので、高齢ではあるものの両親などに緊急連絡先をお願いしようと考えている場合はあらかじめ相談してみてください。
コミュニケーションに関わる障がいがある方
電話を取るのが困難な聴覚障がい者や知的障がい者、重度の精神疾患の方などは緊急連絡先としては認められない可能性が高くなります。
日本語でのコミュニケーションが難しい方
緊急連絡先として設定された方は契約者と連絡を取り次いでもらう必要があるため、不動産会社などから伝えられる内容を理解できなければなりません。
英語などの外国語で対応できる担当者がいれば別ですが、外国の方を緊急連絡先にしたい場合は、日本語能力の高さや在日している期間などを事前に管理会社や大家さんに伝えて相談してみましょう。
ブラックリストに登録されている方
以前に支払い遅れや家賃滞納をしてブラックリストに登録されている方は、緊急連絡先として認められない場合も。
特に家賃保証会社に対して緊急連絡先を提出する際にはブラックリストを確認している可能性があるので、あらかじめ問題ないか確認しておきましょう。
緊急連絡先に連絡がいくのはどんな時?
災害時の安否確認など緊急事態の時
緊急連絡先へ連絡がいくケースは、火事や地震などの災害が起きた場合。不動産会社や管理会社は入居者の安否確認の際に、本人と連絡がとれないと緊急連絡先に連絡することがあります。
入居者本人と連絡がつかない時
災害などの緊急性はないものの、大家さんや管理会社からの伝達事項や注意事項を早く伝えたい時には緊急連絡先に連絡が入ることも。
例えば契約更新の書類が提出されていない・足りないといったケースは今後の入居状況にも関わるため、本人がつかまらなければ必ず緊急連絡先に連絡が入るでしょう。
家賃滞納が続いている時
家賃の滞納については基本的に本人または連帯保証人へ連絡がいきますが、どちらともやり取りができない場合は緊急連絡先に連絡する可能性も。
ただし、緊急連絡先の方には支払い義務はないため、あくまで督促の内容などを入居者本人に伝えるだけで問題ありません。
連帯保証人・保証会社との違いは?
賃貸契約の際には連帯保証人が必要ですが、連帯保証人は契約者本人と同じ債務を負うため、家賃滞納が起これば本人に代わって支払う義務があります。
保証会社(賃貸保証会社)は、連帯保証人が立てられない場合に家賃や原状回復費用などのお金の部分について保証人の立場になってくれる会社のこと。
家賃滞納があると一時的に立て替えて支払い、支払った分を本人に請求します。
連帯保証人・保証会社と緊急連絡先は明確に違い、緊急連絡先はあくまで契約者と連絡がとれなくなった場合の予備的なコンタクト手段。
本人に代わって何らかの義務を負うことはなく、滞納家賃を代わりに払う必要も当然ありません。
架空の連絡先やなりすまし(一人二役)はバレる?
緊急連絡先に連絡される機会は多くはないですが、だからといって適当な連絡先を記載することはNG。
架空の連絡先や関係のない人や会社の連絡先を書くこと、友人・上司に親族のふりをしてもらうことは厳禁です。
嘘が発覚すれば信頼が損なわれるのはもちろん、いざ緊急事態が起こった際に困るのは自分自身。
どうしても緊急連絡先に書ける人がいない場合は、不動産会社にきちんと事情を説明した上で相談しましょう。
生活保護者やDV被害者はどうすればいい?
生活保護を受けていたりDV被害を受けていたりするといった事情から、親族や周りの人間に知られない状態で賃貸住宅を借りたいという方もいます。
そういった方は、国土交通省による住宅セーフティネット制度で「住宅確保要配慮者居住支援」を利用しましょう。
各自治体で居住支援協議会として登録されている団体が住宅確保の相談やシェルターの提供をしてくれます。
どこに相談したらいいか分からない方は、お住まいの地域の民生委員または自治体の相談窓口に相談してください。
※参照:国土交通省「住宅確保要配慮者居住支援法人について」

監修者名
テクトピア編集部
資格一覧
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、賃貸住宅メンテナンス主任者、
少額短期保険募集人、土地活用プランナー



























