ペット可物件の退去費用とは?退去費用の相場や費用を抑えるための対策を解説

目次

ペット可賃貸物件の退去費用の相場

ペットを飼育していた賃貸物件の退去費用は、通常の賃貸物件と比較すると高額になりがちです。費用相場は1DKで家賃2~3ヶ月分(約100,000〜200,000円)といわれ、大がかりな修繕が必要になるとさらに高額な退去費用がかかります。

退去費用の内訳

参考例として、6畳間ある1DKを退去する際に必要となる費用を記載します。

壁紙・クロスの張替え

壁紙:40,000~50,000円
壁に傷や汚れ・しつこい臭いがついてしまった場合には、壁紙(クロス)の張替え費用を負担する可能性があります。穴や陥没など壁の損傷がひどく、壁紙の下のボードや下地を取り換える必要がある場合には、さらに多くの費用が必要です。
一般的に、破損した箇所や臭いが染みついた部分がある壁紙張替え費用は借主負担になります。なお、張り替えた箇所との色合わせのために損傷のない箇所を張り替えた場合、その部分は貸主の負担となるため支払う必要はありません。
費用負担の割合を決めるのは複雑なので、退去時の立会で張替え範囲を細かく確認しておきましょう。

床材の補修や交換

フローリング:100,000~170,000円
畳の表替え:20,000~30,000円
クッションフロア:約40,000円
※下地の補修が必要な場合はさらに費用がかかります。

契約時に特別な取り決めがない場合、部分的な傷はその部分のみの補修負担で、全面に傷がある場合はすべて張り替えて、全額負担になるケースが一般的です。

柱の傷、修繕費用

ペットがかじったり爪とぎをしてしまった箇所を修繕する場合、傷の程度で変動しますが下記のような費用がかかります。

・浅い傷:約20,000円
・浅くて長い傷:約30,000円
・深い傷:約40,000円
・尿のシミなど:約50,000円

ふすま・障子の張替え費用

・ふすま:張り替え(片面)2,000~8,000円
・ふすまの木枠交換:40,000~50,000円
・障子張り替え:1,500~2,000円
・障子の木枠交換:45,000~85,000円

張り替えは一枚(片面)毎の単価のため、破損が一部分であっても片面すべてを負担する必要があります。また、木枠まで傷が入るとその部分の補修が必要になり、場合によってはふすま・障子そのものの交換が必要になる可能性も。修繕費用が意外と高額になる箇所です。

ハウスクリーニング費用

賃貸物件の退去時では、ハウスクリーニングは借主負担となるのが一般的で、費用は1K・1DKで約20,000〜40,000円です。
この価格は通常のクリーニングの場合で、下記の消臭作業が別途発生します。

消臭作業費用

ペット可物件の退去では、ハウスクリーニングとセットで消臭作業を行うのが一般的です。短期間の入居やペットの種類によっては消臭作業は必要ないケースもあります。
費用は約30,000~200,000円と幅があり、該当箇所の広さや臭いの度合いなどで変わってくるので確認が必要です。
高額になる理由は専用機材や使用する薬剤が特殊になること。臭いの原因は床や壁に染み込んでしまった糞尿や狭いところに入り込んでしまった毛などが挙げられますが、これを専用の脱臭機や消臭剤を使って消し、薬剤散布でのノミやダニの駆除・除菌などもする必要があるためです。

ペット可賃貸物件の退去費用と原状回復義務について

原状回復義務とは

賃貸物件を借りた人は、退去するときに部屋を借りる前の状態に戻すことが前提となっています。基本的に建物はペットの有無にかかわらず時間の経過とともに劣化していくため通常の使用で生じる損耗(通常損耗)を考慮した原状回復が求められますが、常識の範囲内の使用では考えられないようなレベルの傷や汚れなどの損耗(特別損耗)があったときには、借主がその部分の修繕をしなくてはなりません。

ペット可物件の退去費用・原状回復費用に関する裁判事例

築17年の物件で、猫1匹の飼育が条件付きで許可されていたケースです。
12年間居住した借主が退去する際、床に爪跡や糞尿による腐食・悪臭などの損傷が確認され、貸主は床の全面張替え費用を請求しました。
借主は「通常損耗に該当する」と主張し、費用負担を拒否。また、「経年劣化を考慮すれば、全額負担は不当だ」として貸主を訴えるまでに発展し、裁判では以下の理由で借主の負担割合を30%と判断されました。

・通常損耗部分の修復が全面張替えに含まれる
・損傷が部分的である
・全面張替えは賃貸人に過剰な利益をもたらす
・腐食部分の補修費用は借主が負担すべき

この判例は、特別損耗の解釈や経年劣化の考慮が重要であることを示しています。
そのほかの判例には全面張替が妥当という判決もあるため一概には言えませんが、上記の判例のように通常損耗と特別損耗の解釈の違いなどで負担割合が大きく変化します。

費用負担のポイントとなるのは「契約時の取り決め」です。国土交通省がとりまとめた「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」には裁判事例やQ&Aなどが記載されているので、そちらも参考にしてください。

※参考:(pdf)「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」|国土交通省

※参考:ペットOK物件だが…猫の糞尿で床を全面張替え、修繕費負担は「オーナー」か「入居者」か【弁護士が事例解説】

ペット可賃貸の退去費用を抑える方法

入居前にできること

入居条件を確認する

物件を決める段階でまず必要なのは、飼っているペットとともに入居できるかどうかの確認です。ペット可物件とひと口に言っても貸主が飼育できる動物の種類や大きさを決めている場合があるため、必ず確認しておきましょう。
その他、飼育に必要な間取りや部屋の広さを確保できるかも確認が必要です。

騒音対策を重視したいなら、物件を構造から選ぶとよいでしょう。一般的には、鉄筋コンクリート造>鉄骨造>木造の順に音が響きにくいとされています。
とはいえ、木造であっても遮音材や吸音材で対策されている物件もあるため、管理会社に質問したり、実際に物件を内覧する際に床や壁の材質や音の響きなどを確認したりするとよいでしょう。
道路沿いや繁華街など常に騒音が響くところでは、ペットのストレスが溜まってしまう可能性があります。すでに飼っているなら一緒に内覧し、これから飼うのであればトライアル期間を設けるのがおすすめです。

原状回復にかかる具体的費用を確認する

過去の入居者が退去費用をどの程度負担していたのか、オーナーや管理会社に質問すれば教えてもらえる場合があります。退去時にどこまで負担するかも確認できると確実です。
契約内容は物件によって違うため、契約を交わす前に認識を共有しておきましょう。

入居前の状態を画像で保存する

退去時の傷や汚れがもともとあったものなのかが争点になるケースがあります。
対策として入居時に室内の写真を撮って原状を記録しておいて、責任範囲を明確にしておくのが有効です。
貸主から入居者とペットの写真を求められることもあります。これは、許可した種類のペットなのかサイズを確認するため。例えば犬の場合、子犬のうちは小さくても成犬になると大型になる犬種もあります。そのようなケースを未然に防ぐためにも、画像による種類確認は有効なのです。

入居中にやるべきこと

滑り止めマットやカーペットを敷く

マットやカーペットを敷くのは、騒音防止に有効な方法です。床の傷つき防止にもなり、フローリングではすべりやすいペットの足腰にかかる負担も軽減できます。とくにレトリーバー系の犬種は生来股関節が弱いため、すべらない床で飼うのは最低限の条件といえるでしょう。
タイルカーペットやジョイントマットなど一部分を取り外せるものであれば、ペットが粗相してもそこだけ洗えて楽にメンテナンスできるというメリットもあります。

ペット対応のワックスを利用する

マットやカーペットが敷けない物件やスペースは、ペット対応のワックスやフロアコーティングを床に塗る方法があります。
ワックスを禁止している物件もあるため、オーナーや管理会社に事前確認をとりましょう。
市販されているペットの滑り防止スプレーを利用する方法もありますが、なかには除菌や足裏保護の効果が添加されている商品も。無害な成分の製品を選べばペットが舐めても安心なので、内容を吟味して購入してください。

防水性のあるシートやトレーを設置する

ペットを飼っていてよく汚れるのは、トイレやエサを食べる場所。防水性のあるトイレトレーの設置や、周辺の床・壁に防水シートを張ると汚れ防止に効果があります。
意外と広い範囲まで汚れてしまうので、シートは大きめのものを購入・設置するのがよい方法です。

張替え可能な壁紙で汚れを予防する

本来の壁紙を守るために、リメイク用の壁紙や汚れ防止シートを壁に貼り付けるのも有効です。汚れた部分を簡単に張替えられるので常にきれいな状態を整えられるほか、臭いの染みつきを防ぐ効果もあります。

ペットの爪ケアや生活環境を整える

ペットの爪が伸びていると物件に傷がつきやすくなります。こまめに切ってあげたり、爪とぎを用意してあげたりするようにしてください。
また、ペットの生活スペースが汚れているとストレス発散行動として過度な爪とぎや吠え癖がつくこともあります。ペットの環境づくりだけでなく原状回復費用を抑えるためにも必要な作業と捉え、トイレや寝る場所などの清掃はこまめに行いましょう。
猫が爪を研ぐ・犬が穴を掘るといった行動は本能なので、無理に止めるのはストレスになりがち。適切なしつけは必要ですが、それと共にどうやったら破損しないのかを考えるのが得策です。

換気や消臭剤の使用で臭いが染みつかないようにする

部屋に空気がこもると、ペットの臭いも染みつきやすくなります。定期的に窓を開けて風通しをよくする習慣をつけましょう。それでも臭いが気になる場合は、ペット専用消臭殺菌スプレーや消臭剤を使ってできるだけ臭いが部屋にこもらないようにするのも効果的です。

こまめな清掃で部屋を清潔に保つ

ペット臭の特徴は布に染み付きやすいので、カーテン・カーペットなどを定期的に洗濯すると臭いの染み込み防止になります。
ソファーやクッションは粗相をされると少量でもかなりの悪臭に。奥まった場所だと気付かないケースもあるので、一日一度はチェックする習慣をつけましょう。
また、共有スペースの使い方も重要なポイントです。ペットの毛が隣のベランダに飛んでいかないよう、ブラッシングは室内で行いましょう。廊下やエレベーターホールなどで粗相しないように、共有スペースでは抱きかかえて移動するといったマナーも必要です。

退去に際にできること

物件を退去するときにはハウスクリーニングが入りますが、できるだけ費用を抑えるためにできる範囲の掃除は自分でしましょう。汚れや傷などの原因に見当がつきやすいため、意外と簡単に修繕できるケースもあります。
また、クリーニングを入れる前の状態がある程度きれいだと、大家さんや管理会社の心証がよくなるのもメリットのひとつ。退去後に手続き漏れなどでやりとりが発生しても、気持ちよくフォローしてくれるでしょう。

テクトピアは、エリア・沿線・テーマなどから豊富な物件情報を検索できて、ペット可物件の取り扱いもある物件検索サイト。サイト内では入居までの流れや解約手続きもわかりやすくご紹介しており、引越し業者の割引サービスなども提供しています。
ペット可物件をお探しなら、ぜひテクトピアをチェックしてみてください。

テクトピアの物件情報を見てみる>>

テックとピア

監修者名

テクトピア編集部

資格一覧

宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、賃貸住宅メンテナンス主任者、
少額短期保険募集人、土地活用プランナー

あわせて読みたい

新着記事

お部屋探しの人気記事

引越し~入居の人気記事

暮らしのコツの人気記事