オートロック付き賃貸物件のメリットデメリット

目次

賃貸物件のオートロック、メリットを再確認

国土交通省によると「オートロック式の住宅」とは次のように定義されています。

「建物内に共用玄関のドアがあり、外からドアを開けるためには、鍵や暗証番号などを用いるか、居住者などに内側から鍵を解除してもらう必要がある共同住宅」

※引用:平成30年住生活総合調査結果(国土交通省住宅局)https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001358448.pdf

自宅だけでなく建物自体に入る際にもロックの解除が必要で、正しく運用されていれば、住人や住人が許可した人以外は基本的に入れないのがオートロックのポイントです。

そんなオートロックについて、ここではメリットについて再確認していきます。

無関係者や不審者が入りづらい
やはり第一に、部外者が侵入しづらいのは大きなメリット。

オートロックがなければ、自宅の玄関ドア前まで不審者が来てしまう可能性があり、玄関の郵便受けから中を覗かれたり、ドアノブをガチャガチャされたりといったトラブルも聞かれます。

オートロック付きの共用玄関があることでこういった心配がなくなるのは、特に女性や一人暮らしの方にとっては大きな安心感を与えてくれるでしょう。

訪問営業や勧誘を断りやすい
訪問者との最初のやり取りが共用玄関部のインターホン越しになるため、訪問営業や勧誘が苦手な人でも断りやすいというのも利点です。よく確認せず出てしまったという場合でも、インターホンを切ってしまえば訪問を防ぐことができます。

また、カメラ付きであれば訪問者を確認できるため、初めから応対せず居留守を使うことも可能。玄関のすぐ向こうに相手がいるわけではないので、電気やテレビの音などで気配を悟られないかと心配する必要もなく、心理的負担が軽減されます。

空き巣に狙われにくくなる
建物内部に部外者が侵入しづらいことも、空き巣に対する抑止力にもなります。

100%安全とは言い切れないものの、侵入まで時間を要して発見されるリスクが高いオートロック物件は、そうでない物件に比べるとやはり空き巣に狙われるリスクは低いといえるでしょう。

セキュリティの高さを売りにしているマンションであれば、オートロックだけでなく防犯カメラの設置など他の対策を取っていることも多いため、空き巣にとってはより避けたい物件といえます。

オートロック付きの賃貸物件の注意点・デメリットとは?

メリットが目立つオートロック付き物件ですが、デメリットとなる点もあるため、物件探しなどの際にはしっかり把握しておきましょう。

100%安全というわけではない

オートロック物件は、居住エリアへの部外者の侵入を防ぎやすくなるものの、必ずしも100%安全が保障されているわけではありません。
住人や宅配業者に紛れて不審者が侵入することもありますし、考えたくないことですが住人に犯罪者がいる可能性も。

また、オートロック付きという安心感が油断につながり、鍵をかけ忘れたり窓を開けて寝たりなど、自ら防犯性を下げてしまう恐れもあります。

郵便物を共用玄関のポストまで取りに行く必要がある

オートロック物件の場合、宅配便以外の郵便物は共用玄関のポストに配達されるため、自分で取りに行く手間が生じます。

普通の物件であれば、自宅のポストや新聞受けに直接配達され一歩も外に出る必要はないため、この点をデメリットに感じる方も多いでしょう。特に、毎朝新聞を取っている方は面倒に感じるかもしれません。

物件によっては、直接配達できるよう特定の時間帯にオートロックを解除していたり、配達員に暗証番号を教えていたりすることもあるようですが、この場合はセキュリティ面で不安が生じます。

家賃が割高になる

オートロックは導入や維持にそれなりの費用がかかるため、どうしても他の物件に比べて家賃や管理費が割高になります。また、比較的新しいマンションに導入されていることが多く、築浅という点でそもそも家賃が相場より高くなっていることも。

それでも、女性の一人暮らしなどで何より防犯面が気になる場合や、心配する親御さんへの説得材料になることもあるでしょう。 オートロック付きを条件とするとして、どの程度の優先順位なのかしっかり考えてみることが重要です。

鍵を忘れると締め出されてしまう

ゴミ捨てなどちょっとした外出の際に起こりがちですが、鍵を持ち出し忘れると締め出されてしまうのもオートロックの欠点です。特に一人暮らしの場合だと建物内から開けてもらうこともできず、他の住人が入るのを待つか管理会社に連絡するしかありません。

また、スマートロックなどはスマホの充電切れで鍵が使えなくなったり、稀かもしれませんが停電でオートロックシステム自体が作動しなくなったりすれば、締め出されてしまう可能性もあります。

オートロックの種類による違い

ここでは、オートロックの種類について解説します。

暗証番号式

あらかじめ設定された番号を入力して解錠する暗証番号式は、紛失や締め出しの心配もありません。番号は建物全体で共通の場合もあれば、入居者それぞれで設定できることもあります。

複製による侵入リスクはありませんが、番号の漏洩や盗み見される可能性などは考えておきましょう。また、長期間番号が変更されていないとそのぶん防犯性は低下してしまうので注意が必要です。

カードキー式(磁気・IC)

読み取り機にカードを差し込むかタッチして解錠するタイプです。複製が難しいこと、財布やスマホケースに入れておける携帯性がメリットといえます。また、非接触型はカバンに入れたままでも近づければ解錠でき、両手が塞がっているときなどは特に便利です。

一方で、カードタイプは折り曲げや破損、磁気不良で使えなくなってしまうリスクもあるため、取り扱いは慎重に行いましょう。

集合キー式

自宅の鍵と同じもので共有玄関も解除できる、オートロックのなかでも最も広まっているタイプです。

1本の鍵で全てのロックを解除できるため手間がかかりませんが、鍵の複製やピッキングのリスクがあり、防犯性はあまり高くないとされています。

顔認証/指紋認証/生体認証式

センサーに顔や指紋を近づけてロックを解除するタイプ。登録者以外が認証解除することは極めて難しく、高いセキュリティ性が特徴です。また、身一つで解錠できるため、紛失や締め出しの心配もありません。

ただし、手袋やマスクを外す手間がかかることや、導入している物件がまだ限定的であることはデメリットといえます。

オートロックの建物でも侵入されてしまうパターン

オートロック付きでも、侵入されてしまう可能性はゼロではありません。どんな状況なのでしょうか。

居住者の後について侵入する

オートロックでも侵入されるケースとしてまず想像しやすいのは、居住者が解錠して入る、あるいは配達業者など来訪者が解錠してもらった後についていく「共連れ(ともづれ)」と呼ばれるパターンです。

大胆な手口だと、鍵を出すのに手間取る様子を装って後から来た住人に解錠を促し、一緒に入るというものもあります。居住者全員の顔を覚えるのは不可能ですし、その状況に遭遇しても部外者か判断するのは難しく、断れないことがほとんどでしょう。

また、共連れの逆で、人が出てくるタイミングを見計らう「入れ違え(いれちがえ)」で侵入されることもあります。

暗証番号がばれている

暗証番号タイプのオートロックでは、入力時に盗み見されていたり、設定された番号が簡単すぎて見抜かれたりして侵入されてしまうことも。

親や恋人など親しい人に暗証番号を教えただけなのに何かの拍子に漏洩したり、前の居住者が引っ越しても番号を覚えていたりと、長期間同じ番号が使用されているとそのリスクはさらに高まります。誰かが居住者の子どもから聞き出すといった可能性も考えられるので注意が必要です。

自分で設定できる場合は面倒でも定期的に変更し、誕生日など推測しやすい番号の使用は絶対に避けましょう。

他の鍵で解錠されてしまう

オートロックの種類は後ほども解説しますが、中でも多く普及している「集合キー」タイプでは、どの住人の鍵でも開くようになっているため比較的作りが甘いとされています。同じ型の鍵を用意すれば解錠できてしまう恐れも。

また、居住者がたまたまマンション周辺に落としてしまった鍵を勝手に複製されたり、前の住人が合鍵を全て返却しておらず、引っ越し後に悪用して侵入したりする可能性もあります。

戸締まりを忘れてしまう

オートロックさえ突破すれば、空き巣にとっては普通の家と何ら変わりありません。そのうえ、こちらが油断して玄関や窓の鍵を開けっ放しにしていれば、簡単に侵入できてしまいます。

また、上層階であっても屋上から降りてきて窓から侵入されるケースもあり、安心はできません。

居住階数を問わず、空き巣の侵入手口で最も多いのは無施錠です。たとえ短時間の外出でもしっかりと戸締まりを確認し、夜に窓を開けたまま寝るのも避けましょう。

オートロックを過信しない!防犯セキュリティを強めるポイント

100%の安心はないオートロック。自分の身を自分で守るためにも、次に解説するポイントをしっかり押さえておきましょう。

玄関を1ドア2ロックにする

共有玄関を突破された場合に備え、自宅の玄関には補助錠を取り付けるなど2重ロックにしておくとより安心です。

よく見る差し込むタイプの鍵は「シリンダー錠」と呼ばれ、そのなかでも種類によって防犯性が異なります。

主に普及している下記の4種類のうち、ご自宅の鍵がどれにあたるか確認しておきましょう。

ディスクシリンダー錠

両側面に刻みがある鍵。ピッキングしやすく防犯性が低いため、各メーカーでは製造廃止が進んでいる。

ピンタンブラー錠

鍵の刻みが片面のみで、ディスクシリンダー錠より改良されたもののやはり防犯性は低め。

ロータリーディスクタンブラー錠

間違った鍵を挿入しても回転できないようにするロッキングバーがあり、ピッキングしづらく防犯性が高い。

ディンプルシリンダー錠

表面にでこぼこのくぼみがあり、先が丸くなっている。複雑な構造でピッキングが難しく、防犯性が高い。

建物に侵入できそうな経路がないか確認しておく

オートロックがあっても建物周辺の塀や囲いが低ければ簡単に乗り越えられますし、雨どいをつたって侵入される可能性もあります。他にも、駐車場などへの勝手口や非常口の施錠が甘い場合、せっかくのオートロックも意味を成しません。

こういった共有玄関以外の侵入経路は、他の居住者の防犯意識を確認するためにも内見時からチェックしておきたいポイントです。

マーキングサインが付けられていないかチェックする

表札やポスト、メーターなどに、アルファベットや数字が書かれていることがあります。これは空き巣が居住者の属性や生活パターンを下見した際に残す、マーキングサインの可能性も。

たとえば「20SW」は20代独身女性、「8-18R」は8~18時に留守といった意味を表します。訪問販売員が用いることもあるようですが、悪用の危険性もあるので見つけたらすぐに消すようにしましょう。

挨拶を積極的に行う

マンション内で人とすれ違った際に挨拶や声掛けをするのも効果的です。顔見知りが増えれば安心感につながりますし、遭遇した人が部外者かどうかの判断もしやすくなります。

何より空き巣は声を掛けられることを嫌がりますので、共連れやその後の犯行の防止にも役立ちます。コストのかからない対策なのでぜひ積極的に行ってみてください。

エレベーターの同乗者に注意する

エレベーターで同乗者がいる場合、その人が侵入者の可能性もゼロではありません。

密室であるエレベーター内での犯罪はもちろん、同じ階に住んでいるように装い、一緒に降りてきて部屋に押し入られるといった危険もあります。

トラブル防止のため同乗自体を禁止している物件もあるくらいですから、タイミングが被ったら譲り、なるべく一人で乗るくらい慎重になってもよいでしょう。

※掲載の写真はすべてイメージです。

テックとピア

監修者名

テクトピア編集部

資格一覧

宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、賃貸住宅メンテナンス主任者、
少額短期保険募集人、土地活用プランナー

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