【マンションの騒音対策】どこからが騒音?基準やトラブル時の相談先・対処法を解説

国土交通省の調査によれば、マンションでの居住者間の行為・マナーをめぐるトラブルは「生活音」が43.6%と最も多くなっています。 隣室の音が気になったり自分の生活音が響いていないか不安になったりする方も多いはず。そもそも「どこまでが生活音でどこからが騒音なのか」の線引きは簡単ではありません。 本記事では、騒音の判断基準とトラブル発生時の対処法に加えてトラブルを未然に防ぐ物件選びのコツもご紹介します。ぜひ参考になさってください。 ※参照元:(pdf)国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果」
目次

マンション騒音の基準と原因とは?建物の構造による防音性の違い

どこからが騒音?環境省の基準目安

音の感じ方は人によって大きく異なります。たとえばピアノの音は聴きたい人には心地よく響く一方、休息をとりたい人にとっては眠りを妨げる不快な音になりかねません。
では、どこからが「騒音」にあたるのでしょうか。
実は、マンションの生活音そのものを規制する法律や住戸間の音量を定めた公的な基準は存在しません。ひとつの目安になるのが環境基本法にもとづいて定められた「騒音に係る環境基準」で、主に住居として使用される地域では昼間55デシベル以下~夜間45デシベル以下が基準とされています。この環境基準は道路交通騒音など屋外の環境を対象とした行政上の目標値であり、住戸間の生活音にそのまま適用されるものではありませんが、自分が感じている音の大きさを客観的にとらえる手がかりにはなるでしょう。
騒音トラブルが裁判に発展した場合、「受忍限度」を超えるかどうかが争点になります。受忍限度とは、社会生活を送るうえで一定程度は我慢すべきとされる上限のこと。判断では、音の大きさに加えて音の性質・発生する時間帯・頻度・建物の構造などが総合的に考慮されます。環境基準を上回ったからといって直ちに違法と認められるわけではなく、下回っていても認められるケースがあるのです。
※参照元:環境省「騒音に係る環境基準について」

マンションでよくある騒音トラブルの主な原因

マンションで問題になりやすいのは、洗濯機や掃除機といった家庭用機器の音・話し声・足音・給排水音・ペットの鳴き声・楽器・音響機器の音などです。いずれも日常生活のなかで誰もが出している音であり、暮らしている限り完全にゼロにはできません。だからこそ、自分が騒音の発生源になっている可能性も頭に入れておきたいところです。

自分が発生源にならないための配慮

周囲への影響は、ちょっとした心がけで抑えられます。まずは次のような点から見直してみてください。
・洗濯機や掃除機は深夜に使用しない
・床に防音マットを敷く
・テレビは壁から離して設置する
・ペットが無駄吠えしないようにしつける
・楽器の演奏は時間帯に配慮し、窓や扉を閉める
あわせて、あいさつを交わしたり地域の活動に参加したりするのも有効です。「どんな人が住んでいるのか」「子どもやペットのいる家庭なのか」がわかっていると、同じ音でも受け止め方は変わってくるもの。自分でできる対策に加えて近隣住民と良好な関係を築ければ、騒音トラブルは起こりにくくなるはずです。

【構造比較】マンションの主な構造(鉄骨造・RC造・SRC造)と防音性の違い

マンションの建物によく使われている構造について、それぞれの特徴と防音性をまとめました。

構造特徴防音性
重量鉄骨造(S造)柱や梁などの骨組みに厚さ6mm以上の鉄を使用している。やや低い
鉄筋コンクリート造(RC造)コンクリートを鉄筋で補強した部材を骨組みにしている。高い
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)S造とRC造を組み合わせた構造。高い

重量鉄骨造(S造)

骨組みに粘り強く変形に耐える鉄骨を使用した頑丈な重量鉄骨造(S造)。ただし壁や床には軽量気泡コンクリート(ALC)などが使われることが多く、遮音性はRC造・SRC造に比べると劣ります。
ALCとは、内部に無数の気泡を含んだ軽量なコンクリートのこと。一般的なコンクリートの4分の1程度の重さしかないため、遮音性能は厚さと仕上げ材の組み合わせに左右されます。とくに足音や落下音といった低音域の騒音は建物の躯体(くたい)を通して振動として伝播しやすい性質があるため、建材の種類によっては騒音になりやすいのが難点です。

鉄筋コンクリート造(RC造)

中低層のマンションで多く採用されている鉄筋コンクリート造(RC造)は、柱・梁・床・壁にコンクリートを用いるため質量が大きく音を通しにくいのが特徴です。高音・低音のどちらも遮りやすく、一般的な生活音は気になりにくいでしょう。

鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)

鉄筋コンクリートの内部に鉄骨を組み込んだ鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)は、高層マンションやビルなど大規模な建物に多く採用されています。コンクリートを使用するため、RC造と同等の遮音性が期待できるでしょう。
外からの音を抑えるには、開口部(窓・サッシ)の仕様もあわせて確認しておくと安心です。
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マンションで騒音トラブルに遭った際の正しい対処法と相談先

騒音が続くとストレスがたまりますが、感情的にならず冷静に対処しましょう。次の方法を参考にしてください。

直接の苦情はNG!まずは管理会社・管理組合へ相談を

直接苦情を伝えに行くと、お互いに感情的になって話がこじれてしまうことがあります。大きな近隣トラブルに発展するリスクがあるため、直接交渉は避けて第三者へ相談するようにしてください。
賃貸物件なら管理会社や大家さん、分譲マンションなら管理組合が窓口です。中立的な立場で状況を確認し、掲示や文書で注意喚起してくれるでしょう。

客観的な証拠が重要!騒音測定による記録の残し方

騒音が発生した日時や頻度・どのような音だったのか・睡眠不足などの生活への影響を詳しく記録しましょう。
騒音計アプリでの音量計測に加えて、可能であれば録音も残しておくと騒音の根拠になります。ただし、アプリの計測値は機種によって差が出るため、あくまで参考値として扱ってください。録音についても、隣室の会話内容まで記録するとプライバシーの問題が生じかねません。音の大きさや発生時間の記録にとどめるのが無難でしょう。
これらの記録があれば、管理会社や警察に相談する際に状況を正確に伝えられます。自分自身が状況を客観的に整理するうえでも役立つでしょう。

当事者間で解決しない場合の最終的な相談先

緊急性が高い場合は110番

深夜に大声で騒ぐ・大音量の音楽を流すなど、すぐに対応してほしい騒音は110番への通報を検討しましょう。状況に応じて警察が現地を確認し、注意などの対応をしてくれる場合があります。
警察が通報者の情報を相手に伝えることは原則としてありませんが、不安な場合は匿名を希望する旨を伝えておきましょう。ただし、相手と口論や話し合いをした直後の通報は通報者を特定されるおそれがあります。通報するタイミングには十分注意してください。
急を要さない相談なら、110番ではなく警察相談専用電話「#9110」という選択肢もあります。

自治体の相談窓口

自治体が設けている無料の相談窓口も選択肢です。多くの自治体では生活環境課などが公害苦情相談窓口を設けています。
ただし、近隣の生活騒音を扱うかどうかは自治体によって異なるため、まずは問い合わせて確認してみてください。相談内容の整理や今後の対応について助言を受けられる場合もあります。

解決しない場合は弁護士

警察や公的な相談窓口を利用しても解決しない場合は、弁護士への相談を検討しましょう。費用が心配なら法テラス(日本司法支援センター)の無料法律相談を利用する方法もありますが、利用には収入・資産の要件があるため事前に条件を確認してください。
法的手続きに進む場合、騒音の記録や測定結果は重要な証拠になります。日頃から記録しておくようにしましょう。

騒音トラブルを回避できるマンション選びとは

内見時の確認ポイントやマンション選びのコツをご紹介します。騒音対策を重視した静かな住まい探しにお役立てください。

内見時に必ず確認すべき間取りと音の響き方

部屋の位置

隣接する部屋が少ない角部屋は騒音の影響を受けにくい傾向があります。また、最上階は上階からの騒音、1階は下階への騒音を気にせずに済む点がメリットです。あわせて、幹線道路や線路に面していないかも確認しておきましょう。

部屋の間取り

隣室との間に収納があると、緩衝空間として音をやわらげてくれる場合があります。
水回りの位置も重要。寝室が隣室や上階の浴室・トイレに接していると、就寝時に給排水音が気になることがあります。

手を叩いて響き方を確認

室内で手を叩き、音の響き方を確かめる方法もあります。ただし、これはあくまで簡易的な目安です。内見時は家具がなく音が響きやすいため判断材料のひとつとして参考にする程度にとどめ、壁厚・床厚は物件資料で確認しましょう。
手を叩いて確認する際は隣室への影響を考慮し、担当者や管理会社の了承を得てから行ってください。

入居者のマナーと管理状態

内見の際は、マンションの共用部もあわせて確認しましょう。たとえば、ゴミ置き場が荒れていたり廊下に私物が放置されていたりする物件は入居者のマナー意識や管理体制に課題がある可能性があります。
掲示板に貼られた騒音注意の周知文は、過去または現在トラブルが起きているサイン。ただし、管理会社が適切に対応している証ともいえます。原因となった部屋や掲示された時期・対応状況を担当者に確認してみましょう。

優れた静粛性!騒音対策には「RC造」のマンションがおすすめ

遮音性を重視するなら、コンクリートを使用したRC造・SRC造が候補になります。このうちSRC造は主に高層・大型の建物に採用されているため、一般的なマンションから探すならまずはRC造を中心に検討するとよいでしょう。
ただし、RC造であれば完全に無音というわけではありません。遮音性は壁や床の厚さに大きく左右されるため、戸境壁と床スラブの厚さもあわせて確認しておきましょう。物件資料に記載がない場合は不動産会社に問い合わせてみてください。
当サイト「テクトピア」では、RC造の物件を多数ご紹介しています。以下のリンクからぜひ検索してみてください。
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テックとピア

監修者名

テクトピア編集部

資格一覧

宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、賃貸住宅メンテナンス主任者、
少額短期保険募集人、土地活用プランナー

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