生活保護を受給しながら一人暮らしはできる?条件や受給額、部屋探しのポイントを解説

生活保護を受けながら一人暮らしをしたいと考えていても、「一人暮らしでも受給できるのか」「家賃はどこまで支給されるのか」など、不安に感じる方は多いのではないでしょうか。 結論から言うと、生活保護は一人暮らしでも受給できる可能性があります。ただし、すでに一人暮らしをしている場合と現在家族と同居していてこれから独立したい場合では条件が異なります。 この記事では、生活保護を受けられるケースや受給額の計算例などを解説。生活保護を受給しながら行う部屋探しのポイントも紹介しているので「お金がなくて住む家がなくなるかもしれない」といった不安が和らぐでしょう。
目次

生活保護で一人暮らしができるケースと受給条件

生活保護を受給しながら一人暮らしをすることは可能です。ただし、「すでに一人暮らしをしている人」と「現在家族と同居していて、これから一人暮らしを始めたい人」では、認められやすさや確認される内容が異なる点に注意しましょう。3つのケースに分けて説明します。

ケース1.すでに一人暮らしで生活に困窮している場合

すでに一人暮らしをしていて、病気や失業などで働けない・収入や貯金だけでは生活を維持できない場合は生活保護の対象になる可能性があります。
ただし、家賃が自治体の住宅扶助上限額を超えているとより安い住居への転居指導を受けるケースもあるようです。
「生活保護申請前から今の住まいに住んでいる」「勤労意欲があり自立できる可能性がある」といった正当な理由がないにもかかわらず転居指導に従わない場合は、生活保護を打ち切られる可能性があるので注意してください。

ケース2.生活保護を受給中の同居世帯から独立したい場合

すでに家族で生活保護を受給している場合は、原則として「新たに生活保護を受けながら一人暮らし」が認められません。生活保護は世帯単位で支給され、「一人になりたい」「実家を出たい」という理由だけでは別世帯として扱われないためです。
一方で家族からのDV・虐待、病気・療養のために静かな住環境が必要など「同居を続けることが本人の生活や健康を損なう」と判断される場合は、例外的に認められる可能性があります。その際、医師の意見書やケースワーカーの調査結果など必要性を客観的に説明できる資料が必要です。

ケース3.生活保護を受けていない同居世帯から独立したい場合

現在は親や家族と同居しており、その世帯が生活保護を受けていない場合、「生活保護を受けることを前提に実家を出る」という形は原則として認められにくいと考えられます。生活保護は、活用できる資産・援助・住まいがあるかどうかを確認したうえで判断されるためです。
ただし、ケース2で紹介したようなDV・虐待・病気療養などで家族との生活が困難なケースであれば独立と同時に生活保護が受給できる場合もあるので、最寄りの福祉事務所・自治体の相談窓口などに相談してみましょう。

一人暮らしで生活保護を受給するための4大条件

1.収入が国が定める「最低生活費」を下回っている

生活保護を受給するには、「公的融資制度や各種支援制度を利用しても生活が成り立たない」「収入が国の定める最低生活費以下」などの条件を満たさなくてはなりません。
単身世帯の最低生活費は地域や家賃によって異なりますが、目安は月10万~13万円程度。最低生活費が月12万円の地域で収入が月7万円のケースでは、不足する5万円が支給対象となります。

2.預貯金や不動産など活用できる資産がない

生活保護を受けるには、まず活用できる資産を生活費に充てることが前提です。居住していない土地・建物・預貯金・高価な車などがある場合は、原則として売却や活用を求められます。例えば預貯金が50万円あり当面の生活費を賄えると判断された場合は、その50万円を優先して使うよう指導されます。
ただし、すべての資産を必ず手放さなければならないわけではありません。通院や通勤に必要な車・自営業に必要な道具・居住用の持ち家などは事情によっては許可される場合があります。判断に迷うものがある場合は、申請前に福祉事務所で確認しましょう。

3.親族などから経済的な援助を受けられない

親・祖父母・兄弟姉妹・叔父・叔母など親族から経済的な援助を受けられない状態でなければ生活保護費を受給できません。例えば親から毎月3万円の仕送りを受けられる場合は、その援助が優先されます。
ただし、親族に援助の義務はないため、高齢・低収入・疎遠などの理由で支援が難しい場合は扶養照会をクリアすれば受給できるかもしれません。

4.病気やケガなどで働くことが困難である(または働いても収入が足りない)

病気・ケガ・障害などで働けない、または働いても収入が最低生活費に届かない場合は、生活保護を受けられる可能性があります。
例として、最低生活費が月11万円の地域で体調や精神的な事情で収入が月4万円の場合、不足する7万円が支給される計算です。診断書や給与明細、離職票などの書類を用意しておくと相談しやすくなります。
生活保護を受けながら一人暮らしをするには、制度上の条件を満たすだけでなく実際に暮らせる住まいを確保することも大切です。家賃が住宅扶助の上限を超えていると転居を求められる場合もありますので、これから部屋を探す方は、早めに福祉事務所へ相談しながら条件に合う物件を確認していきましょう。
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生活保護受給者が一人暮らし用の賃貸を借りる際のポイント

一人暮らしでもらえる生活保護費や初期費用の目安

毎月の生活保護費の計算方法と内訳

生活保護費は、簡単にいうと「最低生活費-収入」で計算されます。ただし、最低生活費は年齢・世帯人数・住んでいる地域・家賃・障害や病気の有無などによって変わります。
以下では、収入がない30歳の単身者が東京都杉並区で生活保護を受給した場合を試算してみました(2026年4月時点)。
・生活扶助(生活費):76,420円
・住宅扶助(家賃上限額):53,700円
・月額合計:130,120円
※計算ツール:みまもり不動産 生活保護 受給額シミュレーター
一人暮らしの場合は、食費・被服費・光熱費などにあてる生活扶助と家賃にあてる住宅扶助が主な内訳になります。
住宅扶助には家賃のほかに敷金・礼金・契約更新料・住宅維持費(畳や建具、水道設備などの修理費)が含まれます。共益費・管理費は対象外になるので、家賃に管理費や共益費が含まれている物件を探すとよいでしょう。
ただし、この金額はあくまでも概算です。実際の支給額は年齢・障害の有無・家賃・収入・各種加算などによって変わります。正確な金額は自治体の福祉事務所や役所窓口で確認してください。

家賃として支給される「住宅扶助」とは

「住宅扶助」は生活保護受給者の家賃負担を支援する制度で、実際の家賃か自治体が定める住宅扶助の上限額のいずれか低い額が支給される仕組みです。自治体ごとに基準が違い、物価の高い東京都23区の単身世帯の上限額は月5万3千700円ですが、4万円前後の地域もあります。
家賃が上限額を超えた場合、超過分は自己負担か上限額内の物件への転居指導が行われることがあるため、物件を探す前に住宅扶助の金額を確認しましょう。

引越し費用や賃貸の初期費用が支給されるケース

生活保護を受給している人が引っ越す場合、敷金・礼金・仲介手数料・火災保険料・引越し費用などが、必要に応じて認められることがあります。ただし、希望すれば必ず支給されるわけではありません。以下のようなケースが例に挙げられます。
・家賃上限超過による転居指導
・DV・虐待からの避難
・立ち退きによる転居
・通勤困難による転居
・火災や地震などの災害被害
・老朽化した住宅からの転居 など

対象地域の「家賃上限(住宅扶助上限額)」を必ず確認する

賃貸住宅を探す前に必ず住宅扶助の上限額を調べましょう。
例えば単身世帯の上限額は東京都23区で月5万3千700円、大阪市では月4万円など地域によって金額が異なります。上限額は自治体のホームページや福祉事務所で確認してください。

生活保護受給者に理解のある不動産会社を選ぶ

生活保護を受けながら部屋を借りることはできますが、すべての物件で審査に通るとは限りません。
現在の法律では大家には契約を結ぶかどうかを決める自由が認められており(民法第521条)、生活保護受給者の入居を断っても違法となりません。過去の家賃滞納や金銭トラブルの経験から、生活保護受給者の入居に慎重な大家もいます。そのため、住宅扶助の上限額内の物件であっても家賃滞納への不安や保証会社の審査基準などを理由に入居を断られるケースもあるのが実情です。
また、役所での煩雑な手続きや原状回復費用が回収できないリスクを鑑みて対応を断る不動産会社もあるため、最初から生活保護受給者の相談に慣れている不動産会社を選ぶことが大切です。「格安物件」や「生活保護可物件」が多い住宅情報サイトから不動産会社を探して「生活保護でも紹介できる物件はありますか」と問い合わせると、無駄な内見や申し込みを減らせるでしょう。
住宅扶助の範囲内で、福祉事務所の確認が取りやすく入居後も無理なく暮らせる物件を選びましょう。
参照元:e-GOV 法令検索 民法(契約の締結及び内容の自由)第五百二十一条

まとめ

生活保護を受給しながら一人暮らしをすることは可能です。すでに一人暮らしで生活に困っている場合は、収入や資産・扶養の可否・働ける状態かどうかを確認したうえで単身世帯として保護の対象になる可能性があります。
一方で、家族と同居している人が生活保護を前提に一人暮らしを始める場合は慎重に判断されます。単に「実家を出たい」という理由だけでは認められにくく、DVや虐待・病気療養・家にいられない事情など、別居の必要性を説明できることが重要です。
物件探しでは、住宅扶助の上限額を必ず確認しましょう。家賃が上限を超える物件は契約が難しくなる可能性があり、敷金や引越し費用も事前に福祉事務所へ相談しておく必要があります。
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監修者名

テクトピア編集部

資格一覧

宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、賃貸住宅メンテナンス主任者、
少額短期保険募集人、土地活用プランナー

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