窓の配置や換気設備など、借りる前に確認したい賃貸の湿気対策5つのポイントをご紹介。1階や川の近くなど避けたい条件と快適な物件の選び方を解説します。

とにかく今すぐ始めよう!賃貸を快適にする湿気対策5選
賃貸アパートやマンションでもすぐに始められる、手軽な湿気対策を5つご紹介します。費用や特別な道具をほとんど必要としないので、すぐ実践できる対策として活用してみてください。
換気を習慣化する
湿気をためないためには、日常的な換気が大切です。
窓を10cmほど開けてサーキュレーターを窓に向けて約20分送風すると、湿った空気を効率よく外に逃がせます。10cm程度の開け幅にすると風が集中して道筋ができるので、効果的に換気可能です。
あわせてクローゼットや押入れの扉も開けて空気を循環させれば、収納内の除湿にもつながります。帰宅後も同様の方法で室内の湿度をリセットすると、より快適に保てるでしょう。
ただし、雨の日や湿度が高い日は窓を開けると逆効果になります。キッチンや浴室の換気扇を使って、外気を入れずに室内の空気を排出しましょう。
入浴後・料理中は必ず換気する
入浴が終わったら冷水シャワーをかけて浴室全体を軽く冷やし、壁や鏡についた水滴をさっと拭き取ってください。その後、換気扇を1時間程度回せば湿気を効率よく排出できます。
なお、入浴中に換気扇を使うのはあまりよくありません。換気扇が浴室の空気を外に出すと同時にすき間から外の空気を取り込んでしまうためです。とくに冬場は冷たい空気が浴室に入り込み、湯気とぶつかって壁や天井に水滴が発生。これが結露やカビの原因になります。
料理中も同様に、湯気が出はじめたらすぐに換気扇を強運転に切り替えるのがポイント。可能であれば部屋の対角にある2か所の窓を数センチ開けると空気の通り道が生まれ、湿気を短時間で外へ逃がせます。とくにガスコンロを使用している場合は一酸化炭素も一緒に排出できるため、安全面でも有効です。
家具を壁から離して配置する
タンスやソファなどの大型家具は壁にぴったりくっつけず、5cm以上離して置くのが理想です。少しすき間をつくるだけで家具の背面に空気の通り道ができ、湿気が溜まりにくくなります。結露やカビの発生も防ぎやすくなるでしょう。
さらに、簀子(すのこ)やキャスター付きの台を使って家具の底を少し浮かせると下からの空気も通りやすくなり、通気性がアップします。
梅雨時期や湿度が高い地域では、除湿機やエアコンの除湿機能と併用すると効果的です。
湿気取りグッズを活用する
湿気対策には、置き型や吊り下げ型の除湿剤を活用するのが効果的です。クローゼットやシューズボックスといった通気性の悪い場所に設置すれば、湿気を吸収してカビや嫌なにおいの発生を防げます。
部屋干しをする際は、洗濯物の下に除湿器を置くとより効果的です。湿気を素早く取り除くことで乾燥時間を短縮できるだけでなく、生乾き臭の原因菌の繁殖も抑えられます。
湿度が高い状態が続く場合は、こまめに除湿剤を交換しましょう。炭やシリカゲルなどの除湿材は、湿気を吸ったあとでも天日干しすれば再利用できます。
エアコンの除湿機能を活用する
結露やカビを防ぐには、エアコンの除湿機能(ドライモード)を上手に使うのが効果的です。ドライモードなら、室温を大きく下げずに湿度を40~60%に保てます。
除湿効果を最大限に引き出すためには、エアコンのフィルター清掃も重要です。ほこりが溜まったままでは除湿効率が落ちてしまうため、月に1回を目安に掃除しましょう。掃除機で吸い取るだけのお手軽メンテナンスであっても効果的です。
エアコンや除湿機の設定湿度は50%を目安にしましょう。湿度50%はカビやダニの繁殖を抑えながら肌や喉の乾燥も防げる、健康と快適性のバランスが取れた状態とされています。自動運転モードで維持すれば目標値に近づくと出力を弱めてくれるので、機器のオンオフ回数が減って無駄な電力消費を抑制。結果的に電気代の節約にもつながります。
日常的に少し工夫するだけで、賃貸でもカビの心配が少ない快適な住まいを保つことが可能です。
湿気対策しているのにカビる?賃貸物件にありがちな湿気の落とし穴
毎日換気しているのにカビが生えるのは、物件自体に問題がある可能性があります。
湿気が溜まりやすい賃貸物件の特徴
風が通らない間取りは要注意!湿気がこもる構造とは
賃貸物件の湿気対策には、窓の数や配置が重要です。
換気・通気が悪い部屋の典型例は、細長いワンルームで窓が一面のみについた「単面採光」の部屋。風が室内を貫通できないので湿気と熱が奥に滞留しやすくなります。
換気扇がないと外気を取り込めない間取りも要注意。キッチン・浴室・洗面所・収納などが住戸の中央や廊下奥にある構造の部屋は、換気扇を稼働しないと室内の空気が循環するだけで湿度が溜まりやすくなります。
1階・川沿い・日当たりゼロ立地と階層で変わる湿気リスク
1階の住戸は地面に近いため地中に含まれる水分が床下から蒸発して室内に侵入しやすく、マンションでも気温差で床や壁が結露しやすい傾向があります。
川沿いは河川の蒸発水分と周辺の水辺植生が加わり、年間を通じて外気湿度が高めに推移するエリアです。外気がすでに飽和している状態で窓を開けても室内湿度は下がりにくく、洗濯物が乾きづらい・クローゼット内部ににおいがこもる、といったトラブルもあります。
南側に高い建物が密集する、または北向きで「日当たりゼロ」と呼ばれるような住戸では、日射による室内の自然乾燥効果が期待できません。日射が少ない部屋は室温自体が低くなりやすく結露発生温度(露点)に達しやすいため、カビやダニの発生源になり得ます。
立地・階層・日射条件が重なると「常時高湿度」という複合リスクが生まれるため、住戸選びの段階から注意が必要です。
気密性=安心とは限らない?湿気が逃げにくい部屋の落とし穴
高気密住宅や気密改修マンションは隙間風を抑えて冷暖房効率を高める一方で、湿気の「逃げ道」も同時にふさいでしまいます。24時間換気システムを正しく運転させなかったり給気口を家具でふさいだりすると、屋外へ排出されるはずの水蒸気が室内に滞留して相対湿度が急上昇。建材劣化やシックハウス症候群の原因にもなります。
このような物件では、「計画換気が必要不可欠」という前提で暮らすことが大切です。
その生活習慣が湿気を呼ぶ!室内干し・換気不足・家具の配置に注意
毎日の生活習慣も湿気を増やす要因のひとつです。
たとえば洗濯物5kgを干すと、約2Lもの水分が空気中に放出されると試算されています。窓を閉め切ったままで室内に干せば短時間で室内湿度が上昇してしまうため、除湿機との併用は必須です。
換気を正常に保つには給気口の前を空け、家具と壁の間に数センチのすき間を設けましょう。こうすると空気が循環しやすくなり、湿気を効率よく外へ排出できます。
クローゼットへの衣類の詰め込みすぎも湿気がこもるため、季節外れの衣類は乾燥させ、吸湿剤と一緒に保管してください。
※参照元:一般社団法人微生物対策協会「部屋干しがカビの原因に?今日からできる対策まとめ」
知らないうちに部屋がカビだらけ?放置した湿気の代償とは
カビは目立つ場所だけでなく、壁紙の裏やタンス・ソファの背面といった空気が動きにくい場所で目に触れないうちに広がります。とくに壁紙は紙と接着剤が栄養源となり、湿度が高いまま放置すると短期間で胞子が定着するので、こまめなチェックが必要です。
なぜカビが生える?増殖しやすい条件と広がる原因
カビは「湿度60%以上」「気温20℃前後」「有機物(ほこりや皮脂など)の存在」といった条件がそろうと発生・繁殖しやすくなります。とくに梅雨から夏にかけては高温多湿になり、室内のカビリスクが一気に高まるため注意が必要です。
一度カビが発生すると、目に見えない胞子を飛ばして短期間で広がります。初期段階では壁の隅や窓枠の角といった目立ちにくい場所に現れることが多いのが特徴ですので、こまめにチェックしましょう。
ダニ・虫が増えるのはなぜ?湿気が招くトラブルと対策法
湿度が60~80%・気温20~30℃の蒸し暑い室内は、ダニにとって最高の繁殖環境。布団やカーペット・畳の奥では人の汗やフケを餌にわずか数週間で個体数が爆発的に増え、フンや死骸が喘息・鼻炎の主要アレルゲンになります。
ダニや害虫を根本から抑える鍵は「湿度50~60%未満」を年間通して維持すること。定期的な掃除と換気を心がけ、布団や枕は週に一度を目安に天日干しを行いましょう。
放置NG!結露が引き起こすカビ・健康被害・建物の劣化
結露を放置すると建材に水分が染み込み、床材の変形やクロスの剥がれなど住まいの劣化が進行します。とくに窓まわりや壁の内部(断熱材)に湿気がたまると補修に費用や手間がかかるため、注意が必要。見た目が悪くなるだけでなく、アレルギーや喘息の原因になります。
咳やくしゃみが続く・肌荒れがひどい・頭痛や倦怠感が続くといった症状がある場合、室内の結露・カビの影響を疑うべきです。
カビ放置で高額請求!?原状回復にかかる費用の目安
賃貸物件で湿気対策を怠ると、退去時に原状回復費用として請求される可能性があります。カビによる壁紙の張り替えは1部屋あたり3~5万円程度、畳の表替えは1畳あたり5千~1万円ほどかかるのが一般的です。
カビを放置し続けた場合には床下や壁内の構造部分まで被害が及び、高額な修繕費を請求されるケースもあります。普段から湿気対策をしておくことが大切です。
借りる前に確認したい湿気対策がとりやすい物件とは
「前の部屋、カビがすごくて失敗した…」そんな経験ありませんか?
湿気が多い部屋はカビや結露の原因となり、生活のストレスにもつながります。物件を選ぶときは日当たりや通気性・換気設備のチェックは欠かせません。
契約後に後悔しないため、引っ越し前に湿気対策のしやすさをしっかり確認しておきましょう。とくに以下の項目に複数当てはまる場合は湿気がこもりやすいので、住むには対策が必要な物件といえます。
風通しの良さがカギ!窓の多い物件は湿気対策に有利
窓が多い部屋は空気の流れが生まれやすく、室内の湿気を効率的に外に逃がせるため湿気対策に有利です。とくに対角線上に窓や複数の小窓がある物件を選ぶと、通気性がアップしてカビや結露の発生リスクを減らせます。
浴室・キッチンに注目!換気設備は必ずチェックしよう
水回りの湿気はカビの温床となるため、浴室やキッチンに換気扇や通気口が設けられているか、内見時に実際に動かして確認しましょう。
換気扇の有無だけでなく、排気の方向や換気能力も確認しておくことが大切です。
湿気がこもりにくいのはどこ?避けたい立地と選びたい場所
海や川が近いエリアや盆地・年間降雨量が多い地域は、自然と湿度が高くなってしまいます。湿気がこもりにくい高台など風通しがよい立地を選ぶと、部屋の湿気対策につながるためおすすめです。
1階は湿気が溜まりやすい?部屋の階層も意外と重要
1階でもしっかりと換気をすれば湿気が溜まりにくくなりますが、地面から遠い2階以上の部屋だと対策しやすいといえます。
湿気対策を重視するなら、建物の構造や設備だけでなく、部屋の階層にも注目して物件を選びましょう。
テクトピアで探す湿気対策が取られている賃貸物件
湿気対策が取られている賃貸物件を探すなら、テクトピアの掲載物件がおすすめです。24時間換気や除湿機能付きエアコンなどが標準装備された住まいが多数あり、カビや結露が気になる方でも快適に過ごせるでしょう。
鉄筋コンクリート造(RC造)の物件は気密性が高く、外気の影響を受けにくい一方で湿気がこもりやすい傾向があります。そのため24時間換気システムの導入が法律によって定められていますが、2003年7月以前に建てられた建物にはこの義務が適用されていませんので、築年数も大切なチェックポイントのひとつなのです。
テクトピアでは、こうした湿気対策に配慮したRC造物件も多数取り扱っています。設備面までしっかり確認しながら、理想の住まいを探してみてください。
※参照元:(pdf)国土交通省「シックハウス対策のための規制導入改正建築基準法」

監修者名
テクトピア編集部
プロフィール
テクトピアは、賃貸マンション・アパート建設で地元から厚い信頼を得る株式会社クラストの不動産賃貸課です。RC造を主体とした堅牢で耐震・耐火性に優れた建物を提供し、デジタロックなどの先進設備で安心・快適な暮らしを実現。首都圏・東海・関西エリアに3万件超の管理物件と約20店舗を展開し、24時間体制で入居者をサポートしています。 有資格者が在籍するテクトピア編集部が、不動産実務で培った知見をもとに本コラムを監修しています。
資格一覧
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、賃貸住宅メンテナンス主任者、
少額短期保険募集人、土地活用プランナー
























