アパートのベランダは、利用の仕方次第で憩いの場所に変わります。ただし自宅のベランダといっても好きなように使えるわけではありません。
せっかくベランダのあるアパートに住むのであれば、有効に利用したいものです。今回はアパートのベランダの利用方法と利用するうえで注意したいことを紹介しますので参考にしてください。

アパートのベランダについて
アパートの部屋についているベランダは、住んでいる人が専用で利用できる空間です。しかし建物全体の共用部分なので自由に利用できるわけではありません。 ベランダは火災などの緊急時に避難経路として利用されるためです。またベランダの利用方法によっては景観が悪くなる恐れもあります。
ベランダがあれば洗濯物が干しやすく、また植物を育てたり椅子を置いてもうひとつの部屋のように利用したりできるなど、メリットも豊富です。一方で強風により枯れ葉などが飛んできて排水口を塞ぐと、雨水が溜まり屋内に侵入してしまうことも。掃除をする部分が増えてしまうことがデメリットといえるでしょう。

アパートのベランダ活用術
せっかくベランダのあるアパートに住んでいるのですから、有効利用したいものです。ここではどのような利用の方法があるのかをご紹介します。
目隠しを設置する
目隠しを設置すると、ベランダがプライベート空間になるだけではなく、窓を開けっ放しにしていても部屋の中が外から見えにくくなります。自宅にいても外からの視線が気になってリラックスできない方におすすめの方法です。
目隠しをする簡単な方法は目隠しシートの利用です。
目隠しシートはポリエチレンなど扱いやすい素材でさまざまな色や柄がプリントされているので、雰囲気に合ったものが選べます。
少しDIYをする余裕があるなら、すのこやラティスといった木製品の目隠しもおすすめです。目隠しシートとは異なり、通気性が良いというメリットがあります。ラティスに植木鉢を掛けてもおしゃれな空間を作れます。
すのこやラティスを設置する際には、ゴムクッションを挟むなどベランダの手すりが傷つかないようにしておきましょう。
床に人工芝、すのこ、タイルなどを敷く
セメントむき出しの床も人工芝やすのこ、タイルなどを敷くことでおしゃれな空間に早変わりします。
人工芝ならまるでお庭のような雰囲気になり、すのこを敷けばウッドデッキのようなおしゃれな雰囲気に。タイルを敷くと南欧の中庭みたいになります。それぞれの素材について、設置方法や注意点をお伝えします。
人工芝
人工芝はロールタイプとジョイントマットタイプがあります。気軽に利用できるのはジョイントマットタイプ。ベランダの大きさに合わせて購入してつなぎ合わせるだけです。つなぎ目が気になる方にはロールタイプを選ぶといいでしょう。幅はいくつか種類あるので、ベランダの幅に合わせて必要な長さでカットして購入します。
芝のパイルの形状や長さもさまざま。芝の長さはほぼ高さのないものから40mmのものまでありますが、掃除のしやすさを考えると20mm程度の長さがおすすめです。
また裏側の素材にも注目しましょう。ウレタン素材なら湿気にも強く、耐久性に優れています。
しかし、ベランダに敷く人工芝を選ぶ際にもっとも大切なことは水はけです。「透水タイプ」と呼ばれる水をとおすタイプなら芝の中に水を溜め込むことはありません。



すのこ
木製の床であるウッドデッキをベランダの床に敷くとおしゃれ度が高まります。プランターとも相性が良く掃除も楽なのでおすすめですが、高額なのがデメリットです。
そこですのこを利用してご自分でDIYをする方が増えています。検索すると実際にすのこを使ってウッドデッキ風に床をリフォームした方の記事がたくさんヒットするので参考にしてみてください。
すのこをウッドデッキの代わりに利用する際に気をつけたいことは、防水・防腐加工が施されているかどうかです。ベランダは雨が入らないつくりになっていますが、それでも風の強い日は雨が降りこむこともあります。すのこは木製なので濡れたままにするとカビが生えたり腐ったりすることも。
またすのこは木材と木材の間の隙間から砂埃などが入りやすいので、排水管がつまらないようにこまめな掃除が必要です。
タイル
タイルを敷き詰めるには工事が必要ではないかと思っている方もいらっしゃるでしょう。ジョイントタイプのタイルならベランダの大きさに合わせてタイルを繋げるだけで、簡単にベランダの床をDIYできます。白やテラコッタ風など好みに合わせて選べる点も魅力です。
タイルを選ぶ際には、ベランダ用として作られた防水がしっかりしているタイプがおすすめです。タイルを敷くときも仕切り板の邪魔にならないか、排水できるかなども確認しながら敷き詰めてください。
おしゃれなインテリアを置いておうちカフェ
ベランダにおしゃれなインテリアを置くだけで開放的なカフェ風の空間に早変わりします。
ベランダが狭くてテーブルと椅子を置けない場合は、椅子だけ置いたりラグを敷いてトレイを使ったりしてもいいでしょう。
キャンプ用品のお店などに、木製の折りたたみ収納ができる低めのテーブルや椅子が販売されています。
狭いベランダでも利用できるものをきっと見つけられるでしょう。

収納場所として利用する
収納スペースが少ない物件の場合は、ベランダを利用して収納場所を確保できます。とはいえ室外に置くと雨風にさらされてしまうのでベランダに置いても問題ない収納用のボックスなどを用意してください。
ただし収納用ボックスを使用したとしても、水が絶対入らないという保証はありません。また貴重品を置いていると外壁などからベランダに侵入してくる人もいるかもしれないので、貴重品や水に濡れたら困る大切なものは置かないようにしましょう。
置く場所にも注意が必要です。アパートのベランダには仕切り板が設置されていますが、仕切り板や避難はしごなど、緊急時に利用されるもののそばに収納ボックスを置くことは禁止されています。

キッチンハーブを育てる
ベランダでのガーデニングもおすすめです。今まで植物を育てたことがない方で何を育てたらいいかわからないという場合は、キッチンハーブを育ててみましょう。
ハーブの中には虫除け効果をもつものもあるので、防虫対策になるというメリットも。育てたハーブの葉っぱを順次摘んで料理に使ったりハーブティーを飲んだりできるので育ちすぎて困る、葉っぱが落ちて排水口を塞いでしまうことなども少ないことがメリットです。
おすすめのハーブはミント、バジル、ルッコラ、イタリアンパセリなどです。いずれも初心者の方も簡単に育てられ、利用範囲が広いのでさまざまな料理に利用できます。

ベランダを活用する際に気を付けたいマナーや注意点
ベランダを有効利用するうえで、気をつけたいマナーや注意点を解説します。ベランダは共有部分ですから、規約に準じて利用することが必要です。またご近所とトラブルにならないように、規約になくても気をつけたいことがあります。
花火はNG
アパートの契約で管理規約や賃貸契約でベランダ使用時に火気厳禁とあれば、花火など火を使えません。仮にそのような規約がなくても、花火は控えた方が良いでしょう。
花火をすると火事になる恐れがあるだけではなく、ニオイや煙が隣家の窓から入ってしまい迷惑をかける可能性があるためです。

バーベキューや焼肉もNG
管理規約や賃貸契約でバーベキューOKになっているアパートでも、バーベキューや焼肉は隣人とのトラブルになりがちです。ニオイが隣人の洗濯物にこびりついたり、時間帯によっては大騒ぎをして騒音が出たりして近隣に迷惑をかけることになります。
プールは注意が必要
子どもがプールで遊ぶのも注意が必要です。うっかり水が溢れて下の階に流れたり、楽しくて大声を出してはしゃぎすぎたりして苦情が出る可能性も。
ご近所にどのような人が住んでいるのかをチェックして、迷惑にならない時間帯を選ぶ、周辺のお宅にプール遊びをする旨を伝えるなどして様子を見ましょう。もし迷惑だと言われたらプール遊びは控えた方が良いでしょう。
喫煙は近隣に配慮する
壁や天井がヤニ臭くなったり変色したりする、家族がタバコ嫌いといった理由で、ベランダでタバコを吸う方もいます。しかし、タバコのニオイは隣や上下の階に届きトラブルになることも少なくありません。
ベランダに干している洗濯物にニオイがつくことがあるためです。管理規約で禁止されていない場合でもトラブルの可能性があるので、ベランダでの喫煙はあまりおすすめできません。キッチンの換気扇の下で吸うなど工夫してみましょう。
仕切り板の周辺にものを置かない
隣家のベランダとの境目にプラスチックのような素材で作られた壁状の板が設置されています。これは『仕切り板』または『隔て板』と呼ばれている、建築基準法で決められた不燃性の素材で作られた板です。平常時は隣とのプライバシーを守るために設置されていますが、火災など非常時には仕切り板を壊して避難経路を作ります。そのため『蹴破り戸』とも呼ばれます。
仕切り板の周辺につい物を置いてしまうことも多いかと思いますが、仕切り板は避難経路ですので非常時のために物を置かないようにしてください。また仕切り板に植木を吊るして壊してしまうと、修理代は借主本人が負担することになります。
水がつまらないように
植木に水をかけすぎてしまうと、土と一緒に水が流れて排水口が詰まることも。ご自分のベランダの排水口だけではない場合は特にあまり気にしない方も多いのではないでしょうか。洗濯物の糸くずなどが隣家のベランダにある排水口も詰まらせる可能性があるので注意が必要です。
ベランダの掃除をするときも水で流してしまわず、必ずほうきとちりとりでごみを取り除き、隣の部屋のベランダにいかないように配慮しましょう。
原状回復できない改造は許可が必要
賃貸アパートでは退去時に原状回復が義務付けられています。住居部分のみではなく、ベランダも含まれているので、ベランダも退去時に回復できないような改造はできません。勝手にリフォームをすると、退去時に補償しなくてはならなくなるので大家さんや管理事務所に確認を取るようにしましょう。
できれば原状回復ができる範囲のリフォームのみにした方が安心です。
アパートのベランダを利用して生活を楽しむ
アパートのベランダを有効利用する方法をご紹介しました。ちょっとしたアイディアでベランダが居心地の良い空間に変わります。生活のクオリティもアップするので、ぜひトライしてください。
ただし原状回復ができるかどうかの確認とご近所への配慮が必要です。ベランダは専有使用ができますが共用スペースであることを忘れずに、ベランダライフを楽しんでください。
※掲載の写真はすべてイメージです。

監修者名
テクトピア編集部
プロフィール
テクトピアは、賃貸マンション・アパート建設で地元から厚い信頼を得る株式会社クラストの不動産賃貸課です。RC造を主体とした堅牢で耐震・耐火性に優れた建物を提供し、デジタロックなどの先進設備で安心・快適な暮らしを実現。首都圏・東海・関西エリアに3万件超の管理物件と約20店舗を展開し、24時間体制で入居者をサポートしています。 有資格者が在籍するテクトピア編集部が、不動産実務で培った知見をもとに本コラムを監修しています。
資格一覧
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、賃貸住宅メンテナンス主任者、
少額短期保険募集人、土地活用プランナー
























